会話のタネ!雑学トリビア

裏モノJAPAN監修・会話のネタに雑学や豆知識や無駄な知識を集めました

呪いの神社にある絵馬に恨みを書かれている人に憎まれる心当たりがあるか聞いてみた

何すかこれ?コワッでは、次の絵馬だ。これまた強烈だ。

辛辣なことばがこれでもかと書き連ねてある。

呪うに至った背景は読み取れないが、書き手の住所とイニシャルも書かれてあるので、呪われさん本人に見せればカンタンに判明しそうだ。


現場へ。絵馬の住所に建っていたのは、オートロック無しのやや古いマンションで、入口の集合ポストをチェックすると、目的の人物と同じ苗字の部屋がひとつだけ表示されている。

ここで間違いないようだ。インターホンを押す。

応答はなく、いきなりドアが開いた。

「はい?」
出てきたのは30過ぎと思しき男性で、どこか善良そうな雰囲気。だが、こちらの身なりを見た途端、不審の目を向けた。
「あの、●●●●さんですか」「そうですけど」「実は…」
手短に訪問の目的を伝え、絵馬の画像を見せた。
「●●さんを名指しして結構なことが書かれてまして」
素直な動揺が返ってきた。
「え、何すかこれ? コワッ。え、ちょっと待って。マジすっか」
「世田谷のK・Nって人、心当たりあります」
「K・N? え〜誰だろ?」
険しい顔をして腕を組んでいる。ちょっと意外な反応だ。これほどすさまじい恨みを買っていれば、普通、何か心当たりがありそうなものだけど。
「呪いの神社ってのは納得っすね」
しばし首を傾げ続けていた彼が、ふいに目を見開く。
「あ〜わかった! はいはい、あいつだ、あいつ」
「どういうご関係なんです?」
「ご関係も何も、そいつ、僕のクルマにケリ入れやがったんすよ」
彼が地元でクルマを運転していたある晩、赤信号の横断歩道をフラフラと歩く男にクラクションを鳴らしたところ男が逆上、いきなり車のサイド部分を蹴りつけてきたのだという。
「で、クルマを降りて何すんだって言ったら、そいつもう、ベロベロに酔ってて」
「それで?」
「とりあえず普通に警察を呼んで、器物破損の被害届を出しました」
しかし警察署に移動した途端、すぐに男からクルマの修理代を支払うとの申し出があり、彼も被害届を取り下げたため示談が成立することに。が、そこで新たなトラブルが起きたらしい。
「後日、修理代の見積もりを送り付けたんですけど、何だかんだ言い訳して、カネを払おうとしないんですよ」

「ひどいですね」

「本当っすよ」
結局、呪われさんが裁判をチラつかせたことで、男は渋々、彼の自宅まで修理代を持参してきたものの、そこでまたもや不快な気分を味わったと彼は言う。
「封筒を受け取るとき、面と向かって言われたんですよ。あんたには人情がないのか、最低だなって。ちょっとヤバくないすか? 10対0で完全に自分が悪いのに、被害者ヅラするなんて」男性が軽くタメ息をつく。
「でも冷静になったら、あいつが呪いの神社に行ってたってのも納得っすね。だって、そういうのって、もともと頭のオカシな人のやることでしょ」