会話のタネ!雑学トリビア

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被害を被ったときクレームで保障を主張する正しい方法

スーパーで購入した惣菜の中に髪の毛が入っていた。賞味期限が切れていた。

そんな経験の1つや2つ、読者の皆さんもお持ちのはずだ。もちろん、中には髪の毛ぐらい気にしない人もいるだろう。またクレームを付けるにしろ、不平不満をぶちまければ気が済むという人も少なくないかもしれない。

しかし効率的に自分の主張を通し、受けた被害の正当な補償をもらうには、それなりの方法や態度で臨むことが必要となる。ここでは食品に関するトラブルに遭遇した際の、効果的なクレーム術について解説していこう。
クレームを交渉と考え冷静な態度で迫る

異物混入などの異変が見つかった場合、最低限の補償として購入代金と代替商品ぐらいはいただきたいものだ

そのためには怒りに任せてがなり立てず、冷静にクレームを付けることが肝要である

ポイントは次の4つだ

スーパー等で買った食品にクレームを付けた場合、それを購入・開封した日付や時刻、異物の種類や状態、開封するまでの状況、冷蔵庫に入れたのか、すぐに開封したのかなどを相手側に求められる場合が多い。

問題を早く解決するためにも、まずはそれらの情報を整理しておくのが重要だ。

証拠となる包装容器や内容物については現物保存がベストだが、少なくとも写真があればOK。それを証拠に交渉に挑もう

謝罪だけで十分なのか、代わりの商品、又はそれ以上のものを要求したいのか

最終的にどこまでの補償を望むから妥協できるのか・

ただ、ここで頭に入れておきたいのは、最初に電話に出るオペレータには一切決裁権がないということだ。怒りや不満をぶちまけたとしても「担当に変わります」とあしらわれ、今まで話したことをもう一度説明するハメになる。まず初めに

「この電話はクレームで責任を取れる人と代わってくれ」
が近道だろう

解答期日の確選交渉を長引かせると話がうやむやになったり詳細を忘れてしまうことがある。いつまでに解答をもらえるのか、最初にクレームを入れた時点で確認したい。
混入ルートと改善方法を文書で提出してくれ。
クレームを付けることで、具体的に金品を得ることは可能なのだろうか

「絶対確実な方法なんてものはありませんが、少しでも多くの代償を受け取るためのコツだったら存在すると思います。私の場合、そのためにやってるわけじゃないけど、結果的に何かしらの代償をもらっているのは事実です」

そう語る沢井氏(仮名)

「スーパーにしろメーカーにしろ、文句をつけたときの対応は基本的にどこも同じです。金と代替商品を渡し、謝り倒して終わり」

対応してくれた責任者たちは、今までのやり方に問題があることを認めているにもかかわらずに、後は気をつけますなんてセリフでお茶を濁そうとするもちろんそんなことでは納得しません。そこで、氏は相手に対して以下5つの要求を出す。

0艮品との交換

0迷惑をかけましたという事実の報告書

0混入ルートの調査報告書

0改善方法の提示

0改善までのスケジュール

ぜんな流通経路があり、どういうチェックが店でされているのか。問題が起きた理由とそれに対する指導、システムをどのように率えるのか。そこをハッキリさせないとまた同じモノを買ってしまう可能性があるだろうと。すべて書面で提出するよう頼むんです。相手からすればずいぶん難儀な客だと思われるでしょうが、こちらにはそれを知る権利がありますから

もちろん、ムチャな要求であることは百も承知だ。ー人の客のために膨大な時間と人件費を使い、改善計画書を提出するなど企業がやるワケがない。まして書面提出は事実として残るのだ。到底、飲めない注文である。

しかし、これが逆に沢井氏を有利な立場に導く。なんせ、相手側は客が求めるまつとうな主張にこたえることができないのだ。

「ほとんどの場合碍間がかかりすぎるので許して欲しい」

なんて言ってくるけど、そんなことじゃ許さない。私は現在も他の客が私と同じ目に遭ってるかもしれないのに、それを認識しながら商売を続けるのかと追い討ちをかけます。

冒頭でも述べたように、期限を決めて交渉するのは基本中の基本。事実調査するのであればいつまでに結果が出るのか、報告書を提出できるできないにかかわらず、解答の具体的な日程を確認しておく。書面の提出を求めた時点で「直接会ってお話がしたい」と対面交渉に進む可能性もある。が、たとえ玄関先まできたとしても沢井氏は納得せずに突き返しゴネることで補償内容が大きくなる場合があるからだ。

担当者が家に来たところで、謝るだけですから改善計画はどうした?と聞いてもあるわけもない。手には菓子折りなんかをブラ下げてるけど、それでは納得できませんと伝えて帰ってもらいます。そうすると、2度目に来たときは間違いなく菓子折りは金か何かにグレードアップしてるんですよね」
保健所の調査を受けるか金を出すかクレーム処理が確立されている企業を相手に報告書の提出を迫るには、かなりのエネルギーが必要となる。慣れや交渉テクニックも問われよう。では街の小さなスーパーや八百屋など、比較的小さな店舗へのクレームならどうか。沢井氏によれば簡単に便える決定的なワザが存在するという。

「単純ですが、保健所は効きます。さすがに屋僅所に電話されたくなかったら何か持って来い」

では恐喝になる可能性もあるけど

「しかるべきところに調査してもらいままとでも言えば問題ないでしょう」

仮に八百屋で買った果物が腐っていたとする。強気な店主に「商品の取り替え以外はできません」などと言われた場合でも、保健所を匂わせることで示談交渉は格段に有利に進む。

地域密着型の小売店なんかは近所の評判がモノをいいます。保健所の調査が入ったなんて噂がたったら客足は減るでしようね。それに調査のために何日も店を休まなきゃいけないし、店側は数万円の損害ですまなくなるんじゃないですか。へタすれば営業停止処分だってあるわけですから、そのことを教えてあげれば間違いないと思います。

身近な例を1つ紹介しておこう。氏がいつも使っている近所のスーパーでのこと。刺身のパックを購入し、ビールを楽しもうとしていた矢先、パックの中に小さな虫(小蝿)を発見した。すぐさまスーパーに電話をかけてクレームだと伝えると、惣菜売り場の担当者が謝罪を始めた。

「そのときは腹が立ってたのでこんなこと言っててもラチがあかない、直接ここに見に来てくださいと呼びつけました」

30分後、担当課長が氏の自宅に到着。深々と頭を下げた課長は購入代金と代わりの刺身を差し出したり

「当然そんなことでは納得しませんよ・とっくにビールを飲んでリラックスしてる時間だったんですからね。そこで私が無駄にした時間はどうしてくれるんだ」

と尋ねたんでますると、課長はキッパリいい放った。

「申し訳ありませんが、これ以上のことはできかねます。」

その開き直った態度を目の当たりにし、さらに怒りを高めた沢井氏は次に取っておきのセリフを口にする。

「刺身なんかどうでもいいんですよ。私はあなたの誠意を見たかったけど、もう期待しません、保健所にでも連絡してしっかり調べてもらいますから」

その瞬間、課長の顔が一変。そして「それだけはカンベンして欲しい」とすがってきた。果たして、担当課長が新巻鮭と刺身の盛り合わせ、さらに食事券2万円相当が入った封筒を持参してきたのは、その3日後のことだった。

こと食品に関すると命を脅かすほどの大事故に発展する可能性も秘めている。たかが一度のメシぐらい、などと思うなかれ。何らかの被害を被ったとき、クレームで保障を主張するということは、消費者にとって当然の権利であり身の安全を守るための数少ない手段なのだ。