会話のタネ!雑学トリビア

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工事現場の騒音・クレームに際しては苦情者減少の法則

近所の工事現場の音がうるさくて、ロクに昼寝もできない。テレビの音が聞こえない、赤ちゃんは泣きわめき・・・
施主や工事業者に苦情を申し入れたところで、「まあまあ」と菓子折1つでなだめられるのが関の山。ひどい場合は、謝罪の言葉すらないこともある。
憎き騒音。このまま泣き寝入りでいいのか。すぐに工事をストップさせるのは無理としても、せめて納得できるだけの金を引っ張れる方法はないものか。 
しかし、結論から言ってしまえば、騒音へのクレームで金を取る確固としたノウハウはない。
「粉塵が飛んできて洗濯物が汚れた」「車庫前にいつも工事車両が停まっているから車を出せない」など、
はっきり目に見える形での実害があるならばそれに見合う保証は期待できよう城騒音という無形の被害では「困ってる」「いや、これぐらいは我慢できる」と、水掛け論に終始するしかないからだ。
むろん騒音が自治体の定めた規制値を大きく越えているなら話は別だく訴訟を起こせば賠償金をぶんだくれる。しかし業者も心得たもので、現実的にそんな例はまれ。たいていの工事は規制値を越えるか越えないかのギリギリのラインで行われている。
訴訟に持ち込んでも「受忍限度内」として棄却されてしまうのがオチだ。しかしハナからあきらめてしまうのはまだ早い。法的に勝利する絶対的なノウハウはなくとも、こと騒音問題に関しては基本的に「ゴネ得」なことを頭に入れておくべきだ。
工場操業のような半永久的に続く騒音と違い、工事騒音は一過性のため、施主も業者もクレームに際しては「苦情者減少の法則」を意識的に利用している。
これは「最初は憤ってクレームをつけてくる者も、のらりくらりかわされるうちにクールダウンしてしまう」という傾向を表したもので、つまりはうやむやに対応しておくうちにさっさと工事を終わらせてしまおうとの魂胆だ。
「責任者がいないので…」
「後日、伺いますから…」
こんな言葉で交わされれば攻撃も鈍らざるをえない。似たような対応を受けた人も多いだろう。しかしそこでくじけてはいけない‘業者のこの対策は、換言すれば「いつまでもしつこく向かってくる者には対処のしょうがない」という意味でもあるからだ。
法的には負い目がなくても、騒音を起こしているのは事実だから業務妨害と反撃するわけにもいかず、かといって工事に横ヤリを入れられるのも進行に影響する。どこもそんなジレンマを抱えているものなのだ。特に小規模工事を請け負うような中小建設業者には、まずは「言いがかりだ!」と威圧的に構えておいて、それでもうるさい者にだけは金を包むという方針のところが多い。
ある中小建設会社の社員は言う。
「これは会社の体質次第じゃないですかね。どこも苦情には慣れっこですから対応策は決まっていて、ウチのようにうるさいヤツにだけ払うところもあれば、最初から面倒くさがって『金やれば黙るんだろう』と10万ぐらい包むところもあります」
どんな業者がすぐに金を払うかなど見きわめる術はない。しかしどこもつつがなく工事を終えたいと思っているのは一緒。粘る人間には弱いのだ。
眠れない、音楽が聞けない、頭が痛い。何でもいいからとにかくしつこく食い下がることで、金銭和解の道は開けると覚えておくべきだろう。
それでもまだ金が取れないときにはどうするか。特にヤクザ体質を残した業者などは、耳を貸さないばかりか施主の所在すら教えないこともある。この場合は、騒音ではない別の部分で攻めるしかない。工事のアラを探すのだ。
法を犯している部分を見つけだし、写真に撮るなりして役所や監督庁にチクる素振りを見せれば手っとり早く金銭を受け取れる。以下に、簡単に見つけやすいアラ探しポイントを挙げておく。一筋縄で行かない相手には試してみてほしい。

事前PRがなかった。
工事看板を掲げていない。
トラック積載量が守られていない。
ガードマンを配置していない。
ヘルメットをかぶっていない。