会話のタネ!雑学トリビア

裏モノJAPAN監修・会話のネタに雑学や豆知識や無駄な知識を集めました

不動産の退出時に敷金を少しでも多く返還させたい

敷0礼0の物件などいまだごく少数でしかない。この悪習は、部屋の退出時にトラブルを生む。敷金の返還問題だ。入居のお礼の意味である礼金が戻ってこないのは仕方ないとしても、いざというときのための預け金である敷金は、返還されて然るべき金である。ところが現実には、掃除代や改装費などの名目をつけられ、1円も返されぬことが多々あるのだ。それぞれ数千〜万単位の金額を合計すると、預けていた敷金額を超えてしまう。つまり返還どころか、さらに金を支払わなければならないのだ。しかし、オレはこの説明を聞いて「しめた!」と思った。
ガイドラインによると、室内清掃代はこちらが払う必要はありませんよね?」
ふ〜、勉強しておいて良かった。危うく払わされるところだったぜ。ところが山田氏はすかさず返す。
ガイドラインではそうなっています。しかしアマオチさんとの契約書に、室内清掃代は退室時に払っていただくと書いてあります。」4年前に交わした入居契約書に、そんな一文があったとは。
「じゃあ、このクロス張替代というのは?」「煙草のヤニです。クリーニングしても落ちないと判断しまして、そちらの過失と言うことで100%負担していただきたいと」
「煙草は通常使用じゃないんですか?」
「ですから、クリーニングをしてもヤニが落ちないので、過失ということで」
なんだかうまく言いくるめられているような気がしてならない。煙草ならトイレは関係ないだろう。フローリング代ってのは何なんだ。クッションとやらもよくわからんし。
「トイレとフローリングについてはこちらが出す必要はないと判断します」
「では、クロスと清掃代は納得していただけると言うことでよろしいでしょうか?」
「仕方ないでしょう」「では、こちらの方にサインをお願いできますか。戻ってから報告しますので」
渋々オレはサインに応じた。彼らは、オレの意見を持ち帰り、物件を所有している(決定権を持つ)S不動産に伝えるらしい。

T不動産山田様
行政書士の先生と話し合った結果、裁判(少額訴訟)という解決方法をとりたいと思っております。しかし裁判は時間がかかりますので、和解案を伝えます。
1室内清掃代はこちらが100%負担する
2それ以外は100%そちらが負担する
つまり、室内清掃代3万円と消費税を合わせた3万1500円をこちらが負担し、敷金ね万円の中から室内清掃代3万1500円を差し引いた8万8500円を返却していただくことになります。全額返還しろと訴えるだけでは、堂々巡りのままだろう。ここは少し譲歩しつつも、返金額を上げる作戦に出よう。行政書士、裁判といった言葉によって、こちらの本気度は伝わるはず。全額返せとはってないのだから、この要求は通ってもおかしくない。
ところが、そう甘くはなかった。

先日頂いたFAXへの返答を送ります。
1室内清掃は100%負担していただきたい。3万円
2クロス張替工事は洋室の壁・天井張替代を負担していただきたい。2万5千円
*洋室のみアマオチさんが入居される前に張替工事をしている為です。
合計5万7千円
敷金から5万7千円を差し引いた6万2千円の返金、これがSさんからの最終的な返答です。
結局6万2千門の返還で決着
何もわかっていないようだ。オレが室内清掃代を負担すると譲歩したのは、あくまで他は一切払わないことが条件である。なぜ洋室のみとはいえ、クロス代を持たなきゃならんのだ。オレが入居する前に張替工事をしているからなんだというのか。
「原状回復とは賃借人が借りた当時の状態に戻すことではない」というガイドラインを忘れたのか。