会話のタネ!雑学トリビア

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閑古鳥の鳴くラーメン店の味

閑古鳥の鳴く店のほとんど前に立つだけで既に特殊な空気を発しており、とにかく入りづらいです。「不味そうとか態度が悪そうとか値段が高そう」とか、入る前からそうい
うオーラがビシバシと感じられます。
それに加え、さらに入りづらいのは店の中が見えないパターンです。これは恐いです。特にガラスの向こう側が何にも動いていないときが最高に恐いです。「営業中」って札があるにも関わらずガラスの向こうがしばらく見てても一つも動いていないとき、これは警察を呼ぼうかと思うことすらあります。
今お邪蝿した中華そば屋は、外観だけで言うと今までで最も入りづらい店でありました。めちゃくちゃ古い家屋の前にはこれまた古いギア付きの自転車が一台。ガラスの向こう側は当然びくともしていません。「中華そば」と書いた提灯と暖簾がなかったらただの心霊スポットです。中に入ってみます。

急に慌ててポットのお茶を入れてこちらにこれまたゆらゆらと近づいてきました。顔からは鼻水が垂れており、今にもお茶に入りそうになっています。しょうがないからお茶を奪うように受け取ります。
ふと何気に見上げると、花菜しに造花のバラとかすみ草が飾ってあるのですが、この花差しがガムテープでグルグル巻きにしてありしかもそのガムテープも弱ってきてるのか、半分剥がれてしまっています。おそらくあと3か月以内には誰かのラーメンの中に落ちる危険性が高いですが、そのときも今日と同じように群がいないことを願わずにはいられません。厨房では婆さんと息子が腕組みしてスープの鍋を2人で黙って覗き込んでいました。しばらくすると息子が鍋からスープをすくって、婆さんは麺をすくって、同時に器に放り込みました。親子の息がピッタリあった連携プレーです。「ぱい、おまち-」という息子の声で再び爺さんが立ち上がり、ラーメンの器を持ってまるで能の舞台かのようなゆっくりとした、それでいて確かな動きで一歩ずつ、一歩ずつ、醤油ラーメンを運んできてくれました。早速、息子の作ったスープを一口飲んでみるとこれがとにかく油っぽくてギトギトしていました。胃が明らかにビックリして「なんだこれは。やめてくださいよ」みたいな反応をしてるので、胡槻入れを手に取って入れようとしたのですが、なんと胡淑がつまっていて一粉もでてきません。この胡槻入れから出てきた胡淑を今さら入れてもそれはそれで逆に恐いわと思い諦めました。麺は至って普通だったのです。チャーシューを噛むとゴキゴキという音がして歯に激痛が走りました。たまたま骨の部分だったのか何なのか、とにかく硬くて食べることができません。スープとチャーシューは残しどうにか麺は完食。爺さんに「ご馳走さま|と告げるとメニューを確認してから「600円」と言われ、1番オーソドックスな醤油ラーメンの値段もあやふやなんかいと思いながらも支払いを済ませました。