郁内のマンションに住み始めて7年になるのですが、客がいるのをみたことがない店が近所にあります。文京区にある小さな洋食尾で最初の2年ぐらいは廃嘘だと思っていたのです。それがある夕方、店の前を通るとおっさんが暖簾を閉まっていたのでまさか営
業しているのではと翌日から気にするようになり、覗くと確かにおっさんがシェフの格好をして腕組みしてカウンターに作んでいました。それから5年近く、入る男気はなかったのですが、なぜこの店が潰れないのか真相を知りたくなり、このたび入店を決懲し
たのであります。
店の前には赤、黄、紫の造花が悲しそうに下を向いており、年が経っているのかほこりがかぶっています。鉄板となったディスプレイの汚さも期待どおりです。カレー、焼肉などはもう真っ黒でオムラィスに至っては商品の値札がつかっているというわけのわからない状態になっていました。明らかにマイナスにしか作用していません。値段は妥当な線なのですがなぜかキュウリとトマトのみが刻まれた野菜サラダが500円という高めの設定でいかにざっくりと値段をつけたのかが伺えます。内を覗きますと当然客は一人もいません。もし客がいたらどうしようという不安があったのですが、この店に限っては自分も「客は絶対にいない・・いたら死んでやる」という確固たる自信があったので客がゼロの店内を確認しても「そりゃそうやわ」としか思いませんでした。ドアを開けるとオーナー兼シェフであるおっさんがなんと奥に鎮座して目を閉じていました。まさか寝てるわけないと思い、客が来たことをアピールするためにドアを強めに閉めたのですがおっさんは仏のような安らかな顔で目を閉じたままです。まるで何年もそのままの状態だったのかのように店内はシーンと静まり返りです。
ランチを待っている間、漫画が無駄に揃っていることに気付きました。ドラゴンボール全巻、はじめの一歩全巻、ハンターハンター全巻。
しかしこのハンバーグが激マズなのです。外は茶色いのに中がやけに白かったのがもう既に視覚的な違和感があります。しょうがないからビールを注文し、ビールでハンバーグを流し込むなんて人生で初めてでした。