会話のタネ!雑学トリビア

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人殺しがあったという噂があるラーメン屋

人気商売なんてもんはしょせんイメージが優先される世界であります。売れっ子アイドルでもやれ整形だやれヤリマンだと噂が広まり、いまいち人気が伸び悩むケースは少なくありません。飲食店も同じでございます。ミシュランで3星だから美味しいはずとか、TOKYO1週間に掲載されたからお酒落に述いないとか、それこそ行列ができてるから美味しいだろうとか内装がポロいから不味いだろうとか、暖味な噂が噂を呼び人気がでたり出なかったり、世間の評判なんてその稀度のぼんやりとしたものです。
東京の某所にある某ラーメン屋では『人殺しがあった」というのっぴきならない噂がにわかに広まり、それが理由かどうか定かではありませんが今日も閑古鳥が鳴いております。噂を耳にしたのはそのラーメン屋の近所にある、整体マッサージ屋でした。なんでも店長の親父が息子になんらかの理由で殺されて、それ以降母親が暖簾を守っているというTBSのドラマのような話なのです。これは穏やかではありません。
師走某日午後7時頃、そのラーメン屋に向かうと店のガラスドアは結露が凄すぎて店内の様子がほとんど確認できません。しょうがないから結露まみれのドアを3ミリ開けて巾を覗くとカウンター10席程度の狭い店におばさんの客が一人確認できました。そして次の瞬間、厨房の老女と目が合い「いらっしゃい」と言われてしまいました。店の老女は徳田久子に酷似しており、とても幸の薄そうな風貌です。もし結露がなく外からこの売れない海田久子を確認できたならきっとドアを開く勇気はなかったと思います。玉子ラーメンとビールを注文し、事の真相を伺う機会を狙っていたのですが客と繭田が何やらボソポソと会話を続けており入り込む余地がありません。しかしその会話の巾で繭出は気になる発言をしました。兄夫婦と妹夫婦と私で料理を食べに行ったという拒旨の内容です。兄妹は夫婦なのに繭田だけが独りだったとは意味深です。その時、、の前のテーブルを小さなゴキブリが横切るのが見えました。会話の内容とゴキのどっちに集中していいか分からずパニックになってしまいました。出された玉子ラーメンの味は可もなく小可もなくといった印象です。

心を鬼にして「最近ご宅人見ませんね」とカマをかけてみました。寓田は明らかに動揺している様子で小さな声で言います。
「主人を見たことあるんですか?主人は20年前に亡くなってます。誰かの間違いじゃ…」
やはり既に亡くなっているようです。
「あれ。だったら僕が見たのは息子さんかも」「息子は隣町にラーメンの修行に
出ていて何年もずっと帰ってきてません」
話の辻棲が合ったような気がしました。これはラーメンの修行という名のオットメに違いありません。かって長洲が某事件で逮捕され、復帰後言い放った一言「ちょっと遠くに旅に出てました」と同じ手法です。蔦田日く「行く行くはこの店を継がせたい」らしいのでラーメンの修行に出ることはごく自然なのですが「隣町のどこのお店でラーメンの修行をしてるのですか」と訊ねると「それはちょっとわからないね」と口ごもってしまいました。息子が何年もラーメン修行に出たつきり、その修行先はわからない。しかも隣町なのに。
さらにラーメンを黙々と作る寓田の手に目をやると右手一本で調理していました。動かぬ左手は見ていて痛々しさを感じさせます。ひょっとしたら蔑田も息子から何かしらの暴力を受けていたのかもしれません。当初から感じていた寓田の醸し出す、ラーメン屋の女将とは思えないただならぬ雰囲気はここにあったのかもしれません。それでも主人を亡くしてからも一人で店の暖簾を守っている菖田は立派だと思います。あんなベラ
ベラと近所の噂を喋る整体マッサージ屋がいるからそれが明るみになり、蔑田も余計に死神みたいな暗い顔でラーメンを茄でるはめになって客が寄り付かなくなる悪循環に陥ってるのでしょう。