会話のタネ!雑学トリビア

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指輪やネックレスなどを二束三文で買い取る悪徳業者にご注意

金やプラチナの相場が高値で動いているせいか、相場を知らない素人を騙して、形見の指輪やネックレスなどを二束三文で買い取る新手の悪徳業者が増えているのをご存知だろうか。元々大阪でブレイクしたそれらの業者は、最近東京に進出し、徐々に関東全域へ広がろうとしている。
某グループでクローザーが、すさまじい勢いで増殖を続ける悪徳業者の手口をお教えしよう。4人のアポインター(玄関を開けてもらう役)と1人のクローザーが5人1組で車に乗り込み、絨毯爆撃のように戸別訪問していく。ターゲットは高級住宅地から集合住宅まで。貧乏人でも昔プラチナのリングを買ってもらった、程度の人間はけっこう多いのだ。まず20才前後の美男美女たちを中心に結成されたアポインターたちが、玄関先に突入していく。
「ごめんくださーい。今度オープンしたリサイクルショップの高橋です。使ってないブランド品とかアクセサリーなどがあれば高値で買取りますけど、いかがでしょうか? 無料で査定させていただきますので」
「ウチは売るものないわよ」
「ソファでもベッドでもいらないものなら何でもいいんです。できれば貴金属類があれ
ば一番高値なんですけど」
とにかくドアを開けてもらうため、アポインターは様々な理屈をこねる。中でもいち
ばん効果的なのは『レアメタルを扱う医療機器メーカーに依頼されて来た』だ。
「そうねー、探せば何かあるかもしれないわね」
「そうですか!じゃ今、鑑定が出来る人間を呼んできますので」
ここからが俺たちクローザーの出番だ。
「どうもこんにんちはー。査定員の山之内ですー。あ、これ良かったらどうぞ」
満面の笑みで挨拶し粗品ティッシュを差し出す。ここで確認するのが、ターゲットが貴金属の相場に詳しい人間かどうかだ。
「お母さん、金の相場って知ってます? 最近どこかに売りに行ったりしました?」
明確に金の価格を言えるような人間ならばキッパリ撤退するが、そんな詳しいおばちゃんなど少数だ。
「いやぁ、わからないですけど」
「そうですか、では鑑定しますね」
おばちゃんがどこからか引っ張り出してきたアクセサリーを、鑑定するフリをしてから最終的に相場の30パーセント程度の値段を提示して買い取る。仮に5グラムの18金指輪なら買い取りは4千円ほどだ(質屋なら1万3千円で引き取ってもらえる)。仮に複数の貴金属が出てきた場合、いくつかはニセモノだと言ってタダ同然で巻き上げることもある。
「お母さん、こちらの2点が本物で8千円になりますが、残念ながらこちらは全部ニセモノですね。まとめてキリよく1万円で引き取りますよ」
貧乏人は少しでも現金になるならと喜ぶし、金持ちは金持ちで、貴金属をわざわざ売
りに行く行為を恥ずかしいと思うのか、いい機会だからとその場で手放してしまうものだ。問題は客が売らないとゴネた場合だ。
「査定してもらうだけのつもりだったので」なんて言ってくる相手には、今まで笑顔だった私も0・1秒で豹変し、トップギアで脅しに入る。
「えっ? ナニナニ? 売ってくんないんすか? そりゃないでしょうお母さん」
「だって、さっきの人が査定だけでいいって…」
「はあ!?ナメてんのかオイ!!今さら何言ってんだよ。オマエ俺たちの時給いくらだと思ってんだよ。オマエが売るって言うから他のとこ全部キャンセルしてココ来たんじゃねえか!ああ?どうしてくれんだよ!!」
ここまでキレキャラを出すと大抵の相手が落ちる。それでもゴネる相手はたまにいるが、ずっと大声で怒鳴っていると近所の目を気にして根負けしてくれるものだ。他にも、亡くなった旦那さんの形見だから売れないなんて言い出すこともある。
「形見だから? こっちが金払って買うって言ってんのに、アンタに断る理由がどこにあるんだよ。じゃ売れるもん持ってこいや」
せっかくドアを開けさせても、貴金属類がいっさい出てこない場合も当然あるが、もちろんおめおめとは引き下がらない。
「わかりました。僕らもこのまま帰れませんから、一緒に探しましょう」
車で待機しているアポインターを呼び寄せて、全員で家宅捜索の開始だ。
見知らぬ人間が玄関先に現れても、絶対に家の中に入れない方がいい。