会話のタネ!雑学トリビア

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レッカー移動で払った罰金が修理費用で帰ってきた話

世の中、駐車違反でレッカーされるほど腹の立つことはない。勝手に人の車を持っていきカネまで取るという理不尽さはヤクザの因縁にも似た災難であろう。
だが、このレッカー移動という災いを転じてカネに変えることが可能、といえば皆さんはどう思われるか。
私の愛車はとあるヨーロッパ製の外車で油圧式サスペンションが特徴である。クルマ好きならばすぐにピンとくるはずだ。
実はその車、エンジン停止時にかなり車高が下がりへマニュアルにも「無理に車体を持ち上げるとサスペンション故障の原因になります」などと明記してあるのだ。もしそ
んなやっかいな車をレッカーしたら…。
もうおわかりだろう。これを利用しない手はない。つい先日も愛車をレッカー移動された私は某警察の交通課窓口を訪れた。
「違反しないように気を付けてくださいね」
反則金1万5千円を支払い無罪放免。イャイャ、肝心なのはここから。帰り際に何気ない顔で窓口の婦警にこう訊ねた。
「車の修理費用はどうなってるんですか?」
「ハ?」
突然のわけのわからない質問に婦警は困惑顔。そこで先述した車の特性と故障の怖れがある旨を説明する。が、彼女はメカに疎いらしく全く理解できない様子だ。
「サスペンションが心配でねえ…。今日も乗って帰れないと思うんです」
「まあそれぐらい大丈夫じゃないですか」
「なんでそんなことがわかるんです。もし事放ったら責任とってくれるんですか?」

一見、言いがかりのように見えるが正論である。レッカーが原因で故障していないとは言い切れない。警察といえどもしょせんお役所仕事、責任を追及されるのは苦手なようである。あとは上の人間がやってきても同じ主張を繰り返せばいい。
ただ、単なるイチャモンになってはよろしくない。あくまで誠実な態度で接するのがポイントだ。
「私も困っているんです。仕事用の車なので…レンタカーやタクシー使わないといけな
くなるんですよ」
「そんなの違反するアナタが悪い。関係ないですね」
中にはこう開き直る相手もいるが、ここで最初に罰金を払っていたことが功を奏する。
「それについては反省していますし、さっき罰金も払って点数も引かれました」

「違反を取り消せって言ってるんじゃないんです。レッカーまでする必要はなかったんじゃないのかって言いたいんですよ」
「しかし…」
うろたえ始める課長にキメ台詞でトドメを刺すわ
「あなたたちに人の車を壊してまでレッカーする権利はないはずです」
圧勝である。ここまで言えば反論されることはまずない。
あとは知り合いの修理工場に架空の見積もりを作ってもらうだけだ。

私は過去2回この手を使い違反金とレッカー代を差し引いても儲けた。まさに警察様々レッカー様々である。しかし、イイ話ばかりではない。カネはもらえても、違反の点数は普通に引かれるのだ。免停まであと1点。当分、このワザは封印することになるだろう。

※この記事はフィクションです。防犯、防衛のための知識として読み物としてお読みください。実行されると罰せられるものもあります。