会話のタネ!雑学トリビア

裏モノJAPAN監修・会話のネタに雑学や豆知識や無駄な知識を集めました

借金からの逃亡先は裏庭にあった

逃亡特集、興味深く読ませていただきました。人はいろんなしがりみから逃げるために知恵を絞っているんだなあと感心させられた次第です。しかし私の経験上、犯罪者はともかく、借金程度のことならわざわざ逃げる必要はないのではないかとおもいます。

6年前、私は、銀行、信販サラ金からおよそ2千万円の借金を抱える身でした。月々の支払い35万円。最初はマジメに返済していたもののさすがにバ力らしくなり、どうしたものかと一計を案じるようになりました。結果、出てきた答はやはり逃亡です。

督促の来ない環境。しかし会社を辞めたところまではよかったのですが、さてどこへ逃げようかと考えたところでアテが浮かんでこないのです。

パチンコ店、温泉宿、拡張員。なるほど身元を隠すにはよさそうですが、身の周りの世話を頼む人間がいなくなるのがネックです。なにせ私は。親元に暮らす身、食事や洗濯など自分の手でしたことがないのですから。さあ困った、親も一緒に連れていくか。いや、引っ越しとなるとなにかと面倒だ。親だって知り合いと離れたくないだろう。なんてことを考えるうち、妙案が浮かんできました。裏の畑の奥に、はなれかあることを田心い出したのです。業者が知っているのは、あくまでも実家(母屋)の住所。はなれにまで督促が来るわけありません。元々は祖母か住んでいたこのはなれ、彼女が他界した後は倉庫のような状態になっていますが、電気はもちろんガスも通っています。

実際、祖母が住んでいたのです。私にだって住めるはず。さっそく私はテレビや布団。を運び込み、はなれ生活を始めることにしました。と、初めは山小屋にでもいるような気分でしたが、住めば都とはこのことで、そのうち誰にも干渉されない生活が快適になってきます。腹が減れば母屋で食事。夜になれば母屋で入浴。洗濯モノはわざわざ母親が取りにきてくれます。外出だってなんの問題もありません。仮に町中で業者に顔を見られたところで、やっばり実家に私は住んでいないのですから。

もちろん支払いをやめてからは、実家に嵐のような督促がやってきました。電話や果ては督促人まで。しかし親にはあらかじめ伝えてあります。保証人じゃないのだから支払う義務はまったくない、息子はどこかへ行ってしまったと伝えてくれと。一さすかドラ息子を持つ親、肝が座っており、すべての督促を軽くあしらってくれました。現に、親に支払い義務はないのだから向こうとしても退散するしかありません。最初の3カ月ほどの山を越えてからは、信販ー社のみが内容証明郵便を送ってくるだけで、他はほぼ沈黙状態。ときどき電話をかけてくるぐらいです。あきらめたってことなのでしようか。はなれ生活も今年で6年目。そろそろ時効の成立するころです。ただ、あまりの居心地の良さに、もう出て行きたくなくなっているのが新たな間題なのですが。