会話のタネ!雑学トリビア

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偶然の当たりを待って186時間のビデオ撮影! パチ攻略会社のインチキDVD製作記

90年代に一世を風靡したパチンコ攻略会社だ。 
最近はあまり名前を聞かなくなったが、連中の攻略情報は今もパチンコ雑誌に紹介されている。とにかく攻略法をマスターすれば勝てるのだ、と。そんなに素晴らしい情報な
ら、自分たちだけで使えばいいのに、なぜ販売するのだろう?
実は私、過去にその攻略法の制作に携わったことがある。全国にいくつかある支部の一つに、3年ほど関わっていたのだ。
主な仕事は攻略法のパンフレット制作だ。 
写真撮影のためには、パチンコ屋で隠し撮りをよく行った。たまたま当たりを引いた
台を○山○メンバーらと囲み、いかにも野次馬が大勢現われかのごときシーンを撮影。
それを実際に攻略法を使って勝ちました!という体にする。パンフレットだけではなく、ときには攻略法の制作を手伝うこともあった。実物台を使ったDVD撮影だ。
攻略法の手順は40〜50ある。
「1枚目のメダルを入れた後、レバーを右に2回動かし、2枚目のメダルを入れてから、レバーを左に1回動かす̶̶」
などなど。さほどに手順を多くしてるのは、購入者からクレームが来たとき「手順32のタイミングが遅れてるようですね」などと誤魔化しやすいからだ。
DVD撮影は、現場に手順を大書したメモを張り、カメラの前で解説役が実際に打っていく。 
手順通りにやってもデタラメだからもちろん出ない。と、最初からやり直しでもう一回打つ。さらにもう一回、もう一回…。偶然当たりが出るまで、ひたすら台を打ち続ける。
1日徹夜で終わればラッキーで、2、3日かかるここはザラ。やっとこさ撮り終えてからチェックしてみると手順を抜かしていたなんてことも。実に186時間連続でビデオ
を回し続けたこともあった。そんなこんなで制作していた攻略法DVDだが、当時その支部だけでも1週間に約2千万売り上げがあった。ボロイ話だ。
その後、○山○会長がインサイダー取引で逮捕され、また攻略法を巡る裁判もあり、組織はイメージダウン。私の仕事もなくなった。 
現在の彼らがどんなやり方をしているかは知らない。