会話のタネ!雑学トリビア

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モノマネのアルバイトで小遣い稼ぎいくら稼げた?

昨年秋、ワケあって東京から生まれ故郷に帰ってきた俺は、実家の商売を手伝いながら細々日を送っていた。
月収20万・田舎暮らしで困る額ではないが、遊ぶには心細い

そんな折、小遣い稼ぎのため始めたのが老人ホームでのモノマネ慰問である。
きっかけは、地元の老人介護施設に勤める友人から聞いた話だった。
彼によると、全国に点在する老人ホームや介護福祉施設では、毎月「慰問会」と呼ばれる会合が開催され、地域の文化振興団体などが太鼓や踊り、演劇などの出し物を披露しているらしい。
慰問自体はボランティアだが、どこの介護施設でも、慰問団体に対し、慣例として2万円程度の足代を支払っていると聞き、触手が動いた。
(うまくすれば、小遣い稼ぎができるかもしれない)
もともと人前に出るのは嫌いじゃないし、中学の修学旅行や東京で勤務していた会社の飲み会では、歌手のモノマネで人気を博したこともある。
むろん、あくまで素人芸で、文化的な催しとは言えないかもしれないが、要はお年寄りたちにウケればいいのだ。
チャレンジする価値は十分ある。
ハローページを開くと、俺が住む町だけで3力所、県内全域で約60力所もの介護福祉施設が見つかった。
この中でどれだけ採用してくれるかは俺の営業しだいだが、友人の話では、慰問会のステージは1団体につき、長くても30分程度らしい。週末に2カ所ずつ回れたら、それだけで月に16万。労働効率は極めて高い。
モノマネするのは、無難に北島三郎、森進一、五木ひろし齢郷ひろみ、谷村新司辺りでよかろう・定番歌手のヒット曲なら十分ごまかしがきく。
持ち時間を30分として、1曲ワンコーラスのみで歌手1人あたり3曲。合計3人の歌手で9曲も歌えば飽きられないはずだ。
場を盛り上げるためには小道具も揃えたい。ヒゲは黒のビニールテープ。
カッラは、ティッシュペーパーの空箱を切り貼りして絵の具を塗り、黒い毛糸をテープで貼りつける。これに振り付けをプラスしたら、ソレっぽく見えるだろう。
あとは営業用の名刺とプロモーションビデオも作らねばならない。名刺の肩書きは「福祉娯楽協会」とし、
レパートリーを記入・ビデオは、近所の集会所を借り鶴固定のビデオで撮影したものに編集を施した。
似てる似てないより笑わせ楽しませること
これにて準備完了・俺はさっそく電話営業を開始した。
「福祉娯楽協会の水谷と申します。私ども、歌マネやモノマネをやっておりまして、ぜひともボランティアという形で慰問できないものかと…」
俺としては、まず挨拶を兼ねプロモーションビデオを見てもらいたかつ・たのだが、なんと口頭で内容を説明しただけで、7軒もが即座にOKをくれた。モノマネというの諭珍しかったのか、相当娯楽に飢えているのか。いずれにせよ、この反応は驚きである。
電話で渋った施設も直接訪問しプロモーシンビデオを見せたら態度が変わった。結果、さらに6件がOK。
予想を遥かに超える成果である。
肝心の屋代の話は、額は友人から聞いていたと鋒り、だいたい2〜3万円。公立の老弘ホームなどは、自治体から助成金などで予算組まれているらしい。
ステージはおおむね好評だった。我ながら似てないと思った曲も、拍手喝釆。実にゆるい相手である。。
というより、モノマネが似てる似て。ないなど、どうでもいいのだ。お年寄りにとっては、少しでも笑い、楽止むことが重要なのである。
「何才になりました?」
「帥になります」
「おきれいですねえ。若い時分は結構男を泣かせたでしよ、おばちゃん」
「まあヤダよ、この人」
曲の合間、衣装を替えながら、お約束の客席インタビューで笑いを取る。
30分などあっという間で、これで2万円はよいこづかいかせぎだ