会話のタネ!雑学トリビア

裏モノJAPAN監修・会話のネタに雑学や豆知識や無駄な知識を集めました

あらゆるクレームをつけてタダメシしようとするやつ

冗談ではなく米だけで食いつなぐ日々もあるほどだ。

そんな苦境の中で編み出したのが《タダメシ》作戦である。内容は、正直、悲しいほどセコイ。が、これも生き抜くためのオレなりの知恵なのだ。

大盛りカレーを20分で平らげれば《ダダ》なんてサービスまである。が、それはあくまで成功すればの話。逆に失敗した場合には1400円請求が待っている。オレが実行するのはもちろん大食いではない。
上京したての昨年4月下旬のことだ。

某所で5割方食べ終えたオレの目に、髪の毛が飛び込んできた。坊主頭の自分の毛ではないことは明らかだ。
 「ちょっとコレ、髪の毛はいってるよ」
「えつつ」
「だから、ここに髪の毛が」
すぐに店員へ申し出た。当然だろう。こんなもの、食えるわけがない。
「もつ、申し訳ありません。御代はけつこうですから」
てっきり取り替えてくれるものだと思ったら、金を返してくれるという。オレはタダメ
シを頂き、一服しながらじっくり考えた。
髪の毛1本で1食が浮く。この事実は見過ごせない。もちろん、今の店で同じことをやれば怪しまれるだろう。
ならば、他店に出向けばもう一度ダダで食えるかもしれない。いや、食わせてくれ。

普段は滅多に口にしないトッピングを注文。調理するやつの髪の長さを目測し、持ってきた毛を切断。そして、カレーを8〜9割食べ終えたところで言い放った。
「ねえ、コレ、髪の毛はいってるんだけど」
「もつ、申し訳ありません。御代ばけつこうですから」
うつしつし、成功だ!
今や出前の定番だが、1枚頼めば2千円前後の金を取られる。これはかなり高い。

ピザを半分食べた後、次のように電話を入れるだけだ。
えっとさ、今、オタクのピザを半分くらい食べて気づいたんだけど、注文と違うみたい
なんだよね。オレはさ、「Lとか言うのを頼んだんだ。けど、オーダー表を見たらさ、なんか『Lってやつに似てるんだけど…。ソッチの注文どう受けてますかね」
こうクレームを入れるだけで、すぐにもう1枚が運ばれてくる。ピザの単価などたがが
知れたもの。サービス重視の大手だったら成功間違いなしだ。
ちなみに同じ店舗に同じ手口を使う場合、オレは常に友達の携帯など異なった番号で注文を出す。ピザ屋には電話番号を打ち込むだけで住所が浮かび上がってくるマシンが使われている。

※この作品はフィクションです