会話のタネ!雑学トリビア

裏モノJAPAN監修・会話のネタに雑学や豆知識や無駄な知識を集めました

二重手術埋没法のダウンタイムはどれくらい?目のハレがひいたのは何日目?

毎日のように鼻がやだわ目がやだわなどとグチってる女性が多い。

ならいっそのこと美容整形をしてみたらいかが

親からもらった体なのに、なんて言ってるようじゃ頭が古過ぎ

かくいう私も、この美容整形にハマり、鼻に始まり、アゴ から頬、挙げ旬に胸や足までイジりまくった女だ

今じゃすっかり別人に

まだ飽き足らない。きっと死ぬまで整形つづけるんだろう私はマジでそう思う。 

こんな顔、 取りかえたい 
子供のころ、ことあるごとに他人から言われたことばがある。

「多香子ちゃんはお母さんに似て るね」

むっくり一重に顎

子供から見ても母はブサイクで、私はそのブスな母の娘だった?こんな顔、取りかえてしまいたい。その思いは心に深く刻まれた。

しかしアヒルの子はアヒルではなかった。自分でも信じられない

私は10才を過ぎるころより、みるみるキレイになっていく。おかげで、中学、高校と彼氏を欠かさず、ラブレターなんかももらった

が、私の、「顔を変えたい」との望は依然残ったままだった

トラウマになっていたのだろう。そしてこの願望はついに高校卒業後の19才のとき爆発する

整形手術のため上京したのだ。整形とな ればさすがに慎重にならざるをえない

いくつもファッション雑誌の広告をチェックした結果、タレントのMが手術を受けたという病院を選んだ。 
「あのー、どうすれば手術を受け られるんでしょうか」

病院に問いあわせると、まずはカウンセリングに来てくれと

さっそく私は翌日、店を休んで〈S〉へ足を運んだ。
「どこを直したいのかな」
医師はやたら愛想のいい初老の男だった。
「あの、一重をパッチリ二重にしたいんですけど」
二重にさえなればもう母似とは言われないだろう。
「そうですか。二重の場合埋没法という手術をすることになるんですよ」

聞けば、埋没法とは、険の裏に、髪の毛より細い特殊な糸を埋め込む方法らしい。つまり、表からは見えない部分を縫い付けてシワを作ろうというわけだ。局部麻酔をかけるため痛みもあまりないという。

「これならすぐに終わりますよ。その日のうちにメイクも出来るしね」
手術費用は10万円。鼻、口、アゴなど、他のパーツと違い、目は一番リーズナブル。もちろん私にとっちゃ余裕で出せる料金だ。
「二重になったらどんな感じになるか見てみましょ」

医師が鏡を取り出し、細いフォークのような器具で険を押しあげた。

と、ぱっちり二重になった自分が映っている。う-ん。でもなあ、ちょっとデメ金みたいじゃないかしら。
が、私は決断を下した。
「お願いします」
「じゃあ、さっそく始めましょう」
「え、今すぐですか?」
「そうです」
まさかいきなり手術とは。

と、マもなく1枚の紙切れを差し出された。どうやら誓約書らしい。
〈術後の経過が当人の不本意であった場合も、一切異議申し立てをいたしません〉
考えてみれば、美容整形院が行っているのは通常の病院のような″治療″じゃない。うっかり手術に失敗し、裁判沙汰にでもなれば面倒なことになる。これはその予防線というわけだろう。
失敗する可能性もあるってことか。もしも四谷怪談のお岩さんみたいな顔になったらどうしよう。
急に不安がこみ上げてきたものの、もう後には引けない。私はボンと判子をついた。

手術は10分程度で終了した。麻酔のおかげで痛みはなかったが、たまに目の裏が引っ張られるのが妙な感じだ。たぶん手術で縫ったんだろう。
サングラスをかけて自宅に戻り、鏡を見ると、まるで誰かに殴られたよう。ま、術後すぐじゃ当然か。
医者も3日は腫れが引かないって言ってたしな。
その夜は、目のことを考えテレビなども見ずにベッドに入った。
と、間もなく職がジンジンし出した。麻酔が切れたのか、あまりに痛くて一睡もできなかった。
翌朝、目覚めてすぐ鏡を覗くが、相変わらずのみじめなお岩さん状態。痛みも昨日にまして激しい。
あと1日の辛抱だ。
ところが、4日5日と経っても一向に腫れがひかない。個人差な
のか。手術が失敗しちゃったのか。
不安で仕方ない。
1週間後、そうそう店を休むわけにもいかず、アイラインを濃く太めにして出勤。
「私、顔のどこかおかしい?」
「ん、なにが?」
客に気づく様子はなく、店員も何ひとつ突っ込んでこない。彼氏と別れて泣きはらしたとでも思われたのだろうか。
急に腫れが引き始めたのは10日を過ぎてからだ。それが12日目とさらに加速度を増し、13日目、とうとう二重がくっきり現れた。
ヤッターー.嬉しくて嬉しくて何度も瞬きしてみる。もはや私は母とは似ても似つかぬぱっちり二重の美少女だ。
ただ、周囲の反応はほとんど変わらなかった。期待した「多香子ちゃん変わったね」のことばはついに聞かれず、同僚に「最近ちょっと化粧濃いんじゃない」と言われたぐらい。ちょっとショックだった。