会話のタネ!雑学トリビア

裏モノJAPAN監修・会話のネタに雑学や豆知識や無駄な知識を集めました

借金しまくって食べまくって自己破産した大食漢な私

私は愛知県の田舎町で公務員の娘として生まれ、計画性のないダメな子供と言われ続け て育った。

子供に計画性を求めるほうがどだい無理な話と言うものだけど、与えた小遣いが30分後になくなっているとあらば、親としても小言を言いたくなるのは当然だったのかもしれない。

高校時代になってからは、無計画に拍車がかかり、小遣いは全部コンサート代への交通費に消えていった。こういうのを一途な性格と言うんでしょうか。

そんな思いつきのみの行動は、 高校3年時に人生前半の山場を迎 える。

その年の秋、私を一番可愛がっ てくれた母方のおばあちゃんが脳梗塞で倒れ、そのまま他界。そり ゃもう私は泣いた泣いた。なんつったってこの歳になってもまだお 年玉をくれるような、いいおばあ ちゃんだったんだ。 


ストレス解消の手段として私は食べることに走った。

特に脂っこいものに飢え、肉をよく食べた。

肉、肉、肉。煮ても焼いても肉は おいしい。 で、それで満足できたならよが ったんだけど、そのうち食べだ物をその場ですぐ吐くようになった。でも、また食べる。吐く。食べても食べても満たされない。

ハムとかきゆうりとか冷蔵庫の中の物をバクバク口に入れるんだけど、やっぱり吐く

おかしいなと病院に駆け込んだら、どうやら精神が病んでいるらしい。

病名は過食症

しばらく入院したほうがいいなんていわれてしまつた。

さらにマズイことは続く

生活のため とはいえ、どうしてこんなおべんちゃらを使わなきゃならんのか。せこせこ働いてローン返済なんてバカ げてる。ま、嘆いたって遅い。とにかく 私は残ったローンを借金で返済することに決めた。そのほうが楽チンだし。物電fぜ楽な方へ楽な方へ 考えるのが私は得意なのだ。 さあ、借りよう。

でもプロミスみたいな大きなところが、水商売の私に貸してくれるはずないもんなあ。やっぱりここは親に頼ろうか。でも結婚のときにかなり出してもらったから頼みにくいか。 てなことをウジウジと悩んでい たら、何かの雑誌でこんな広告を 見つけてしまった。

水商売の方歓迎。

やっほー、こんなのがあるんだ。 こいつは借りなきゃ損、損。私は すぐに電話を人れた
「あのー、。スナックで働いでるん ですけどいいですかー」

恐る恐る尋ねたところ、相手の 男は生年月目と名前、住所などを を聞いてしばらくしてから、

「あなたはブラックだから、普通じゃ貸してもらえませんよ」

もう、ええーっーて感じ。だっ て私、借金なんてしたことないの に。でも、。そんなはずはないといい返す前に、男は

「こちらの指示どおり動けば大丈夫です。手数料は3割でいいです」

なんて優しそうに言ってくる。こりゃもうお任せしたほうがいいのかな。

「で、どうすればいいんですか」

「ウチでは貸せませんので、よそを紹介します」

「はあ」

「とりあえずアコムに行ってください」

それでまたビックリ。そんな大きいところが貸してくれるかって。

でも男は正しかった。半信半疑、 言われるままアコムの支店で申請 したら、10万円簡単に貸じてくれ たのだ・あの大アコム様がワタクシめごときに10万円も。紹介屋にダマされただけなんでことは露とも知らず、ただただ私は驚いた。 手数料3万円

元に残たのは7万

そこで私は考えた・ どうもならないんだったら肉でも食べでやれと。過食症は始った とはいえ、食欲ば盛だったから。 

やっぱりスナックは辞められな い。

よりも、ローン返済に 回すはずだった7万円を食費に充 ててしまったから、かえって稼がなきゃならなくなった。

家賃とローンと飲食費。そしてアコム。食べ過ぎる私が悪い

でもこれぐらい気にすることは ないのだった

店にはもっと借金を賃ってる女のコもいるけどヘラヘラしてるし、しかも

「お客さんに泣きついてみたらー」

なんて素晴らしいアドバイスをくれるじゃないの。 なーるほど、そんな手があった か。よっしゃ、いっちょやったる かと、すぐソノ気になってしまう 単純な私。

アテはなくもなかった。

店に来ては食事に誘って くれる20代後半の消防士さんがいたのだ。寝たわけでもないのに結婚したいなんてことを言う人で、 私にしてみれば、結婚?バカじゃないの

て感じなんだけど

彼の自宅に電話を入れてみた。

「もう会えないの。借金がたくき んあってソープに行かなきゃなら、 ないから…」

シクシク泣きながら演技をかま す。そしたらそいつは、あたふたし

「心配しなくていいから。1週澗後に待ち合わせしよう」

・・ アンタに何ができるのさ、

かすかな期待を胸に待ち合わせの喫茶店へ。 すると深刻な顔で分厚い茶封筒を手渡してきた。

ひょ っとしてこれって・・

冷静さを装って中を改めてみたら万札の100万円。

「こんなの受け取れませんよ」一応はしおらしく心にもないことをいいながらも、私の目は釘付けだった

だってそんな大金見たことなかったから。

「いいよーこれは全部キミにあげるから。」 「え、でも…」 「気にしなくてもいいよ。人助け、 助け」

うーん、なんて優しいお方なの

でもこれ、恩を売って結婚しようって魂胆かしら。そこまではいかなくても、身体くらいは提供すべきなの?

ま、そりゃそ、つだろな。 きっと返すからと何度もお辞儀 をして、札束をしっかり仕舞い込んだ私は、ケーキセット代もらって喫茶店を出た

それ以降、お店には出なくなった。 だってトラブるのはィヤだもんね

100万円はローンとアコムを返して、豪遊したらすぐ になくなっちゃった。でも借金の 呪縛からは逃れられたし、オッケ ーオッケー。消防士さん、ありがとさん。

今考えると、ここで1回返せちゃったのがマズかったんだろ、つな 借金ぐらいどうとでもなる。それも他人のお金のおかげなのに

次の彼氏も食べることが趣昧のような人で。ファミレスに行ったら、5千円分ぐらいすぐたいらげるし(ということは2人でー万 分)、2人揃っ とか寿司とか高いのが好きだから、 お金なくなっちゃったね。 
も質素にしようか、なんて話し合いはするんだけど、次の日にはハンバーグステーキを食べていいよ いいよ、また借りればとなれば借金しかない

残っていたアコムの枠は簡単につぶれ、新たな借り入れ先を探すハメに
「俺らじゃ借りれんやろ」 
「大丈夫よ。こういうとこだと貸してくれるから」

借金先輩の私は、前回と同じように雑誌で見かけた業者に頼んで、 聞いたこともないサラ金を紹介してもらい、3件で20弱万円をゲット。 そのうち3割を手数料として支払 い、残ったお金を食費に充てた

バイトでも簡単に借金できるこ とを知った彼氏も、真似してあち

こちから借りまくったから、もうこのころは2人とも裕福で裕福で。

焼き肉屋では特カルビ、金沢の温泉に行ってはタラバガニ、松阪ではトロけるようなしゃぶしゃぶをたらふく食べまくった。 それもこれもみんな優しい金融屋さんのおかげ

紹介屋なんて知らなかった私たちは、定職を持たない者をわずかな手数料でかしてくれる素晴らしい人たちだと信じきっていた。だってホント に借りられちゃうんだから感謝もしますって。 
事故の保険金で 無事、年を越す 

同棲して初めて迎えた春が来た

季節柄、警備員の仕事が急に減り、 収人が途絶えてきた。

そのくせ、 2人とも暇に任せてバクバク食べてばっかりいるから、やっぱりどこかりか借りるしかない。

「あなたブラックなので、ヴチでは貸せませんが」

「はい、わかってます。どこか紹 介してください」

「それでは00クレジットに行っ てください」 
「あ、そこはもう行きました」

このころは、ナントカ商事とか、 ナントカライフとか、わけのわからないところからも5万10万と借りていたから、紹介してくれるところがだんだんなくなってきていた

他のところ紹介してくださいよ

「それじゃ、××ローンは」

「そこは借りてないですQありが とうございました」

慣れっこになっていた私はこん な要領でどんどん紹介してもらつ ていたが、どういうワケか初めて のところでも断られることが多くなってきた。

ある業者に、結婚しているほうが借りやすいとア ドバイスをもらい、夏にわざわざ籍まで人れたのに、どこも相手にしてくれないのだ。

「なんだよ、前はちゃんとしたと こ紹介してくれたのに」

「あんまりアテにならないわね」 いよいよ本当にプラックリスト に載ってしまつたことなんでまったく知らずに私たちは責任転嫁を続けるのだった