睡眠薬遊びというのは、睡眠薬を服用してラリったりすることだ。
アルコール を飲んでハイホーーになるみた いなものだと考えてもらっでいい。
ただ、アルコールと根本的に違うのは、体がだるくなったり気持ち悪くなったり、あるいはニ日酔いに悩まされたりといった身体的症状が現れない点だ。
またシンナーの類と違い、脳味噌や体に不可逆的なダメ―ジを与えるといったこともない。
純粋に脳味噌だけが ハイホーになる。
問題になった「ハルシオン」による睡眠薬遊びがその典刑
睡眠薬を飲んだら眠ぐなるだけなんじゃないのか、という疑間をお持ちの方もいるだろう。
確かに、 眠くならないことはない。が、そ のまま起きていると頭はぼんやりしているもののどこか冴えているような感じがして、実に気持ちがいいのだ。 では、なぜなのだろうか。
現在主流で使われているベンゾジアゼピン系の睡眠薬は抗不安薬から派生したもので、数ある抗不安薬の中でも傾眠傾向の強いものが使われている。
この薬がなぜ効くのかについて、 簡単かつ大雑把に言うと、人問の脳は「物事を記憶している部分」 と「考える部分」というのが別であり、人間は記憶を引き出し、それを参考にしながら物事を考えている。記憶というのは自分にとって都合のいい記憶ばかりで なく、悲しい記憶やイヤな記憶も当然あるだろう。
そうした記憶が引きかねとなって、人間は不安になったり悩んだりするわけ
そこで抗不安薬は「物事を記憶している部分」と「考える部分」のデータのやりとりを断ち切ってしまう。
もちろんある程度の量のデータを断ち切れば、当然ながら不安を引き起こすようなデータの絶対量は減るのだから、不安な気持ちになることが少なく なる。
特に睡眠薬として使われる薬剤は記憶をカ ツトする傾向が強い。
よく睡眠薬遊びをすると記憶が飛ぶーと言われるが、これは抗不安薬が効く理由から考えれば当たり前の話で、「記憶を引き出す」ことが抑制される
ついでに 「記憶に埋め込む」ということも同時に抑制されているわけ。
副作用で健忘症が起きるのではなく、薬がちゃんと効いているから健忘症が起きるわけちょっと専門的な話になってしまったが、だいたいの原理はわかってもらえただろうか。