会話のタネ!雑学トリビア

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カニかまぼこがカニ風味かまぼこならえびせんはエビ風味せんべいなのでは?食品の表示方法

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新聞やテレビを見ていてもどうもピンと来ないのは、どれも自分には関係ないことのように思えるからではないでしょうか。虚無主義と非難されればそれまでですが、事実関心を持てないのですから、どうしようもありません。どうして高学歴者の方々は、あんなに大きな問題ばかり追及したがるのでしょう。ワタシにはわかりません。申し遅れました。ワタシ、今月から担当するライターの松野です。
1回目は食品の表示方法について、突っ込んでみましょう
その昔、「カニかまぼこ」なる商品があったことを覚えていらつしゃるでしょうか。かまぼこのくせに、なぜかカニのように身がスイーッと縦に裂けてしまうあれです。回転寿司屋なんかでカニを注文すれば、シャリの上にこのかまぼこが乗っかってますよね。子供は食べてますけど。ご存知かどうか、このヒツト商品、出たばかりのころは「カニかまぼこ」だったのに、いつのまにか「カニ風味かまぼこ」などとぼやけた名称になった経緯があります。農林水産省や関係所官庁が、消費者を誤解させるようにしないようお達しを出したからです。カニなんか入ってないやろ、風味だけやろ、というわけです。ところが今回ワタシがランダムに3社の商品を調べたところ、どれもカニエキスが含まれています。中にはカニ肉を使用している物もあるのに、それでもやっぱり「カニかまぼこ」とは表記していませんし、逆に表には、「本品はカニではありません」と、わざわざマイナス表示までしています。よっぽど締めつけが厳しいのでしょう。お前らはかまぼこに過ぎないんだ、偉そうな名前をつけるなと差別されているようでもあります。さて、すべての食品が、このように厳しい基準の下に表示されているなら消費者としても安心なのですが、はたして実際はどうなのでしょう。たとえばワタシの大好物のえびせん。あれ、えびなんて入ってるんでしょうか。同じスナック菓子のポテトチップスを見ると、使用割合の最も多い原材料は馬鈴薯、すなわちポテトです。
したがって表記がポテトチップスとなるのは理解できますし、表に大きなじゃがいもの絵柄が描かれているのももっともなことです。では、えびせんはどうでしょう。これ、裏面の表示によれば、最も多い原材料は小麦粉で、えびは4番目です。ポテトチップスの論理なら「小麦粉せん」、カニかまぽこの論理で行けば「エビ風味せんべい」でなければおかしいのですが、なぜか堂々とえびせんと表記され、表には大きなエビがぴょんぴょんと踊っています。カニは駄目でもエビは0K。そんな理屈はないでしょう。いったん食べ始めるとやめられないからといって、えびせんだけに優遇措置があるのは解せません。そこでワタシ、公正取引委に質問をぶつけてみることにしました。あの表記は消費者をダマしているんじゃないか、と。すると、信じられないような解答が返ってくるではないですか。「エビが微量とはいえ実際に入っている以上、誇大表示に当たるかどうかは即答できかねる」
「どこまでが誇大でどこまでが正当かは、明確な基準が設けられていない以上、それぞれの食品ごとに判断しなければならない」
これ、どうでしょう。「それぞれの食品ごとに判断といいますが、新製品が現れては消えていく食品業界、数の限られた役人の力では個別にいちいち審査などできるはずがありません。要は、法律で明確に罰せられるのは、使っていない材料を使っていると表示する「虚偽表示」のみで、誇大表示に関してはまったくユルユルなのです。公取の担当者は、タンクローリー杯のダシ汁に松茸1本を投入した物を松茸入りダシとして販売しても誇大表示にあたるとはいえないとおっしゃっていました。
結局のところ、えびせんに限らず、食品の表示などまったくのデタラメだということです。むしろカニかまぼこのネーミング規制は一種のスケープゴートのようなものだったと言えるでしょう。スーパーやコンビニにはありとあらゆる食品が売っていますが、パッケージに惑わされてホイホイ購入しないほうがいいですよ。何が入ってるか判ったもんじやありませんから。