会話のタネ!雑学トリビア

裏モノJAPAN監修・会話のネタに雑学や豆知識や無駄な知識を集めました

海外のオークションサイトで珍しいCDとか雑貨を買ってメルカリで転売

会社(アルミ面格子の製造)を27才でクビになって以降、さまざまな仕事(主に派遣社員)を転々とし、現在は無職という独身男性、と聞いていたのだが…。
「いや、すいません。確かに無職だったんですけど、ほんのつい先日、倉庫の出荷作業の仕事が決まって、もう働いているんですよ」
 え、そうなんですか? それはおめでとうございます。でも、なんで最初の会社をクビに?
「突然、上司から『オマエは社会性がないから解雇だ』と言われまして。私、子供のころからドモリで、成績もすごく悪かったんです。仕事を頼まれても1回で理解できなかったりもするんで、そういうのも原因だったんでしょうね」
 その後、仕事が短期間でコロコロと変わっていくのも同じような理由で?
「色々です。能力がないからクビってのもあったし、年下の上司にいびられて自分から辞めたこともあるし。あと、人員整理の対象ってのも。リストラですね」
 彼の場合、不思議なのは、そうやって仕事を辞めてからまた次の仕事を始めるまでにいつも必ず長めのブランクを挟んでいることだ。最大で3年、短くても3カ月といった具合に。しかも大半の就職先で雇用保険に入っていなかったため、失業保険ももらってこなかったらしい。謎だ。まったくの無収入状態で、どうやって食いつなぐことができたんだろう。
「ブランクがあるのは単純に次の仕事が見つからないとか、逆に仕事をせず遊んで暮らしてたとか、そういう理由からです。実は最初に就職した会社と次に入った会社は正社員待遇で給料も良かったので、30半ば当時で貯金が700万ほどあったんですよ。だからそれ以降は無職の時期に貯金を少しずつ食いつぶしてきた感じですね。おかげで今はほとんどなくなっちゃいましたけど。あ、でも昨年、父が亡くなって遺産の一部(400万)が転がり込んできたんですよ。だからまた仕事をクビになったら、しばらく遊んで暮らすかもしれませんね」

次は岐阜在住40才。これまた独身貴族の男性である。
「もうかれこれ7年ほど働いてないね。リーマンショックで派遣先のアルミ工場をクビになったのが最後だから」
 もともと彼は大学卒業後ずっとバイトや派遣の仕事で生計を立ててきたそうだが、リーマン以降はきっぱりそういったライフスタイルから足を洗ったらしい。
「何かウンザリしたんだよね。雇用側の都合で派遣社員が真っ先にクビを切られるってのは以前からもあったことなんで。ああいうのはマジで精神的に参るから」
 そんな理由で当時住んでいた名古屋のアパートを引き払い、現在は実家のある岐阜で暮らしているという。
「実家暮らしといっても、パラサイト(親に寄生すること)はしてないよ。部屋代までは払ってないけど、食費も光熱費も生活費も全部自分でやりくりしてるし。さすがに年金で食ってる親に迷惑はかけられないからね」
 なるほど。それは立派な話だけど、でもじゃあ、収入はどこから?
「俺の場合は2つあって、まずひとつは個人輸入だね。簡単にいうと、eBay っていう海外のオークションサイトで珍しいCDとか雑貨なんかを買って、それを日本国内で転売するの。前はせどり(ブックオフやアマゾンなど国内ショップで安く購入した商品を同じくオークションサイトで転売する行為)でも稼げたんだけど、あまりに流行っちゃったから利益が出なくなってさ。でも個人輸入ならまだまだ行けるよ。当然、ある程度の目利きは必要だけどね」
 個人輸入での収入は月によってかなり差があるが、堅いんだとか。
「あとはパチンコだね。これも月平均10万は稼げてるし」
出たよ、パチンコ。この人も店員を買収してたりするのか?
「いやいや、俺はある意味、正攻法だよ。前に働いてた職場にパチプロの人がいて、その人と組んで動いてる。詳しくは教えられないけど、店の全台の1カ月分の当たり回数とかをエクセルでデータ化して、それを分析して当日の狙い台を決めるの。もちろんそれでも負ける日もあるけど、月のトータルは必ずプラスだし、やり方としては正しいと思うよ」うーん、働かずして最低でも20万の月収か。やるなぁ。

最後に登場願うのは、どこかとぼけた感じの話し方が印象的な兵庫在住の男性だ。
「社長がうっとうしいんで、長いこと勤めてた中古車販売の会社を36才のときにプイと辞めて、その次に電子機械の生産工場で働きだしたんですけど、同僚にガラの悪いニーチャンがおりましてね。何となくイヤになってそこも1年ほどで辞めたんですわ。そっからはずーっと無職です」
 気分の問題で次々と会社を辞めた挙げ句の無職。かなり自由な思想をお持ちのようだ。それで、現在はどういった生活を?
「実家で母親と嫁さんと3人で暮らしてます。まあ、みんなで毎日ボーッとしてますよ。母親も嫁も仕事してないんでね」
 え、一家全員無職なんですか?それでどうやって暮らしていけるんです!?
「母親は年金があるんでね。僕はまあ、方々から借金して食ってるって感じですかね」
 この方、筋金入りの借金体質らしく、会社員時代にはサラ金で、無職の今は親戚や友人知人からカネをひっぱりまくっているそうな。でも、返済はどうするんだ? 収入もないのに無理でしょ。
「そこなんですわ。ホンマは早く仕事を見つけて返済せなアカンのでしょうけど、ちょいちょい交通事故に遭うんで、自動的にお金がようさん入ってくるんですわ。それで今は何とかなってるし、どうも本腰入れて仕事を探す気になれへんというか」
 状況が飲み込めない。交通事故が収入源ってこと? 何それ?
「あの、先に言っておきますけど、僕、全然悪いコトしてませんよ。でも37才くらいからどういうわけかほぼ2年おきに事故に巻き込まれて、そのつど保険金が転がり込んでくるんですよ」
 具体的に言うと、37才のときに追突事故の被害者となり450万をゲット、39才でも同じく追突事故の被害者になって400万、41才でもやはり追突事故で230万、というようなことが44才だった去年まで連続して起きたというのだ。
 こんな偶然あり得るだろうか。ことによるとこれって…。
「いや、だから保険金サギとかじゃないんです。正直、事故で負ったケガは大げさに申告して診断書をもらったりはしてますが、事故自体はホンマに偶然ですから。今どきそんなわかりやすい犯罪やったらすぐパクられますって」
 うーん、まだ信じがたいが、本人が言い張るなら納得するよりしかたない。
「あと、むかし車屋で働いていた関係で中古車ブローカーみたいなこともやってます。知人関係からよく『安い車ほしいねんけど探してくれへんか』と頼まれるんですよ。まあ、こっちはバイト感覚なんで、月15万も儲かれば良い方ですけど」