会話のタネ!雑学トリビア

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母、義母、義父、嫁の弟に計 22 万円もの大金を貸すハメに

母、義母、義父、嫁の弟に計22万円もの大金を貸すハメに。一発キメてやれば機嫌も直るだろうガラス代の弁償や、親族からの度重なる借金要請で、我が家の家計は大変なことになってきた。
そして8月、さらなる追いうちが。発端はわが社の社長の一言だ。
「タテベ。こんなものがウチに届いてね。理由わかる?」
差しだされた封筒には『春日部市役所債権回収課』とある。債権?はて、なんのことか。
慌てて役所に電話したところ…。
「過去の国民健康保険料3年分の支払いがまだでしたので、お勤めの会社に給与の支払い状況を問い合わせたんです」
どうやら、以前アルバイトだった時期に国保を払っていなかったらしい。
「合わせて40万円支払ってもらわないと次の給与を差し押さえるような状況になってます」
40万!?
おいおい、この状況でどうやって払えっていうんだ。そんな大金、ウチには残ってないぞ。重い足どりで帰宅し、ヨメの真由美に報告すると、間髪入れずに罵倒された。
「はぁ? バカじゃないの?」
「すまん…」
「どうすんの? ただでさえおカネ返ってきてないんだし」
返してくれないのはほとんどそっちの家族だろと思いつつも、ぐっとその言葉を飲み込む。火に油を注いでもいいことなんてないのだから。
その日から夫婦関係は如実に悪化した。真由美は朝のおはようの挨拶もなければ、弁当も作ってくれず、あろうことか、娘にまであたりはじめた。
これはいかん。なんとか改善しないと。ある夜、ヨメの布団にもぐりこんだオレは、わき腹に手をまわしてサワサワ攻撃を開始した。
「んー、くすぐったいよ」
パジャマの裾から手をいれて乳首周辺をなでてやる。よしよし、ココをこちょこちょやればこいつは喜ぶんだよな。
「んも〜う、夏美が起きちゃうよぉ」
「いいじゃん」
一発濃厚なのをキメてやればこいつの機嫌も直ることだろう。オレとしては嫁さんとなんかこれっぽっちもヤリたくないけど、ここはガマンだ。アソコに手を伸ばし、パンツの上からなでなで。吐息が激しくなっていくのがわかる。
が、勃たない。どうしても勃たない。真由美の手がチンコに触れた。
「大きくなってないね」
もはやリカバリーは不可能だろう。この時点でわずかも勃起してないのに、どうこうできるとは考えにくい。
「ん? ああ、疲れてるからかな」
その日はあきらめ、翌日もチャレンジしてみたが結果は一緒だった。
どうしたんだろう。ヨメに性欲がわかないってのももちろんあるが、原因はもっと根深い気がする。カネの心配が大きすぎるのかも。
夫婦関係は依然、ギスギスしたままだ。オレも離婚したらこうやって…
義父の良勝さんに呼びだされた。きっとカネを返してくれるんだろう。
が、自宅におじゃまするやいなや、その期待は打ち砕かれた。
「10万円な、悪いんだけどもう少し待ってくれないか」
「ああ、まあいいですけど…」
「それでさ、聞きたいことがあ
るんだけど、ラインってあるだ
ろ? どうやって入れればいい
の? あれやってみたいんだよ」
義理の息子をお前呼ばわりするこの人は、やはりどこかネジがいかれていて、50代にもなって出会いに対する欲求がすこぶる強い。ラインを知ってるとは、なかなか目敏いおっさんだ。
スマホにインストールしてやり、掲示板の存在も教えてやったところ、さっそくピコピコやりだした。
「あ、この子いいじゃん。メールしてみっか」
はいはい、どうぞ。どうせ返ってきやしませんよ。ラインのユーザーは10代20代がメインなんだから。ところが。
「きたきた! えっと、越谷だったら近いじゃん」
まさかのリターンがきたらしい。なんだこの人、メールナンパの天才!? 相手はどんな子だよ。
「どんな相手ですか」
「おう、ほらこれ」 
30才主婦か。プロフィールの写メは口元のアップだが、なかなか艶っぽい。
「また返事だ。子供が2人いるんだってよ。別にいいじゃん、な?」
 やりとりが止む様子がないので、オレはそろっと玄関を出た。帰路、いろいろと思うことがあった。毎日マジメに働き、ヨメや子供を食わせているオレが、カネに苦しみ、セックスすらままならない一方で、あんなグータラなおっさんが悩みなくノーテンキに生きているなんて。
後日、義父から電話が入った。
『いやさ、こないだのラインの子と会ったんだよ。で、来週ディズニーシーに行くことになったから、3万円貸してくんないかな?』
 いいなぁ、この人は。オレも離婚したらこうやって自由気ままに毎日を過ごせるのだろうか。