会話のタネ!雑学トリビア

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ディズニーリゾートCLUB33に運良く入れた理由

各地のテーマパーク、断トツ人気はやはりディズニーリゾートである。だが、夏休みともなれば早朝からゲート前に開場を待つ人たちが列をなし、入ったら入ったでアトラクションも、レストランも、ショーを見るのも1時間待ちは当たり前。
猛暑の中、ただひたすら並ぶしかないのもディズニーならではだ。もし、待たず並ばず、お酒まで飲めるサービスがあると言ったらどうだろう。もちろん一般人には手の届かない、VIP専用の会員制クラブで、その名はCLUB33という。
サービスは、入場前から始まる。TDLは8千台収容の広大な駐車場があるものの、通常、開場前に出かけないといい場所には停められない。が、どんなに混んでようが会員はゲート前の特別スペースへ誘導され、通常2千円かかる駐車料金も無用だ。さらに、お客が列を作っていても待つことなく優待入場口より入ることができる。
スタッフの案内でワールドバザールを進むと、三井住友銀行の隣にある羽と書かれたドアの前へ到着。横のチャイムを押し名前を言えば、メイド姿のウエイトレスが出迎えてくれるのだ。
要らない荷物をクロークに預け、エレベータで2階に上がれば、そこは完全予約制の高級フレンチレストランだ。ゆとりをもってセッティングされたテーブルには、名札代わりの名前入り特製マッチが並んでいる。
アルコール類は生ビールからシャンパンまで何でも揃い、料理はコースのみで、ランチで3千円〜、ディナー8千円〜ほど。これだけならわざわざTDLに足を運ぶ必要はない。このClub33が会員を魅了するのは、窓からシンデレラ城前一帯を一望できる立地のせいだろう。ランチタイムには、ディズニーキャラクターが勢揃いのドリームス。パレード、ディナータイムには華やかなネオン輝くエレクトリカルパレードをゆっくり酒を飲み、コース料理を食べながら見物。
そのうえ食後にはミッキーが現れ、ツーショットでの写真撮影も可能だし、誕生日ともなればミッキーがバースデイケーキをサーブし、メイド姿のウエイトレスさんたちとハッピバースデイの歌まで歌ってくれるのだからファンにはたまらない。会員へのサ—ビスは食事だけに止まらない。園内のアトラクシヨンに乗る際も、一般客が入れない『スポンサ—ズラウンジ』( アトラクションや飲食店のスポンサ—企業=日産• 第一生命•キリンビール ・コカコ—ラ•ハウス食品•松下電器等などの関係者用)の利用も可能だ。
例えばいつも長蛇の列ができているスプラッシュマウンテンに乗る場合も、スポンサーの日産ラウンジでドリンクを飲みながら待機。
一般客の目につかないよう優先的に乗り場まで案内してもらえるというのだから、ぜひとも会員になりたいものだ。
夢のような特典付きは、本家アメリカのディズニーランドにもある由緒正しいクラブなのに、公式HPにもガイドブックにも出てこない。これは、会員がディズニーの経営母
体• オリエンタルランド社やスポンサー企業の役員クラス約5百人ほどで、現在は新規会員の募集さえ行っていないためらしい。我々一般人は、会員同伴か紹介がない限りレストランを利用するチヤンスはないのが実情だ。
しかしここに、会員ではないのに「club33」に潜り込んだ男がいる。都内の零細企業に勤めるA氏だ。会員とのコネクシヨンなどなかったA 氏だが、あるトラブルがきっかけでこの権利を得た。
「オレ、ディズニーランドが好きなんで、I昨年の誕生日に当時つきあってた彼女と遊びに行ったんですよ。アトラクションに乗って園内のレストランで食事してたら責任者っぽい人がこれは、「ちょっとこちらへ」って事務室に呼ぶ。で行ってみたら警官がいて…」
驚くA氏に警察は、おまえは盗難カードを使用しただろうと詰め寄ってきた。確かにA氏はその日の支払いをすべてシティバンクの『シティゴールドカード』で行っていた。日本では一般的ではない『シーラス』という決済方法を採るクレジット機能付きのキャッシュカードだが、TDLでは利用できると聞いたからだ。
「なんかシステムの不具合があったらしいんですけど、園内で何度か使って会計本部にデータが送られた際に『盗難カード』ってことになったらしくて」
身に覚えのないA氏はすぐさまシティバンクに連絡。駆けつけた担当者がA氏本人のカードであること、口座には十分な現金が入ってることを証明し、一応、疑いは晴れた。しかし、納得できないのはA氏だ。
「何時間も待たされたうえ、彼女は先に帰っちゃうし。こっちに非があったならともかく、向こうのシステムエラーでしよ。それで警察呼ばれて、セキュリティだ会計本部だフード本部だって偉い人たちに責められて、その挙げ句、謝罪の言葉だけじゃ……」
申し訳ありませんと頭を下げる責任者に、A氏は提案した。それでは『Club33』に入れませんかと。
「ネットでそういうクラブがあるのは知ってたからダメ元で言ってみたんだ。そしたら最初にオレを呼びに来たフード本部の責任者が、わかりましたって。たぶん、向こうは1回だけのつもりだったと思うけど」
家族の誕生日に初めてClubを訪れた後、A氏は責任者に感謝の電話。さらに、近くに来たのでだ旅行に行ったのでとフード本部に顔を出しては、ちょっとした手土産を差し入れた。
「そうなるとオレの頼みを断れなくなる。1回のはずが2回3回と楽しくなって、もう会員と同じだもん。いい女がいたらフード本部に電話を1本入れればいい。間違いなく
落ちるよ」