大阪新世界。通天閣タワ—やジャンジャン横町で知られるこの街には一つの特徴がある。おっちゃんだらけなのだ。
彼らは昼間から酒を飲み、平気で他人に話しかけ、ダサい服を好んで着る。ディ—プ大阪、ここに極まれりといった感だ。
この街そのものは恐怖でもなんでもない。むしろのんびりした空気すら漂っているため居心地は最高だ。しかし、ここで男前にしてもらうとなると…。
昨年の悪夢再びとなるのか否か(バックナンバ—参照) 。今回は、床屋と服屋の2 力所で、おまかせコースをリクエストするとしよう。って、なんでまた俺がこんな目にあわなくちやいけないんだよ!まずはぅらぶれた床屋へ。軒先に赤白青のポールが回る、昔ながらのたたずまいだ。
店長は50代と思しき眼鏡のおっちゃんだった。
「男前にしてください」
「はぃ?」
「イケメンになりたいんです」
おっちゃんは笑いながらハサミを手にした。誰をイメージしたんだろぅ。新世界の署刖といえば阪田三吉ってとこか…知らないけど。続いて近所の服屋へ。おっちゃんたちが利用するのであろう、コテコテ系ファッションのお店だ。
奥の店長さんにお願いする。
「イケメンになりたいんでコーディネイトしてください」
水を得た魚のよぅにおっちゃんはシャツを引っ張り出し始めた。