会話のタネ!雑学トリビア

裏モノJAPAN監修・会話のネタに雑学や豆知識や無駄な知識を集めました

住む住民にことごとく不幸が訪れる呪いのマンションに行ってみた

一家心中の部屋に住むようになった義母・昌子は、グリーで会った男にストーカー行為を働くようになる。
気になっていることがある。
オレが1年半を過ごし、様々な呪いにうちのめされてきた豊島マンションのことだ。
現在はいったいどんな状況なのだろうか。新たな住人に大変なことが起きていたりして。あの部屋の呪いにはオレを含めて5人連続で影響を受けている。
今度の住人だって例外ではないはずだ。
いちど見ておかなければと月の初旬、今となっては懐かしさすらこみあげるあのマンシ
ョンへと向かった。
さて205号室は?おっ、窓に力ーテンがかかってる。誰か住んでるんだな。階段をのぼり、ドアに耳をあててみる。物音は聞こえない。
「すいませ〜ん」
強めにノックすると、ゆっくりドアが開いた。
「どちらさま?」
出てきたのは60代とおぼしきおばちゃんだ。この狭い部屋に一人で住んでいるんだろうか。
「あの、前にココに住んでいた者ですが、忘れものをしたので突然お邪魔したんです」
「物?」
「えっと、銀行の通帳なのですが、心あたりはないですよね?」
「ないねえ」
おばちゃんは目線を合わそうともしない。なにかに脅えてるような表情だ。
「そうですか。ところで最近ここに越してきたんですか?」
「そうよ。2週間前くらいね」
「その…なにかヘンなことはないですかね?」
「おたくなに?宗教かなんか?」
マトモな反応と言っていい。いい歳してこんな部屋に住むなんて、アッチ系の方かもと想像していたのだが。
「いえ。実はボクが住んでいたときに色んなことがありまして。。。」
オレは順を追って説明した。夜中に拍子木が聞こえてきたこと、上の部屋からすりこぎ音がしたこと、そしてオレ自身がウシになったこと…。
おばちゃんは驚くでもなく、静かに聞いている。
「というワケなんです。だから新しく住んだ方にもなにか起こっていないかと思って」
「ふん」
おばちゃんは下を向き、沈黙した。やっぱりなにかあるのかな?「そういう部屋だってコトを不
動産屋からは聞いてました?」
「聞いてないねえ。何度かね、ピンポンが鳴って誰もいないことはあったよ」
ピンポンダッシュか。わざわざ2階まで上ってきてそんなイタズラをするヤシがいるだろうか。
「それだけですか?」
「う〜ん、そうねえ。そう言われてもなかなか思いつかないね」
おばちゃんは何かを思い出そうとしている。
「夜中に目が覚めるかもねえ」
「なにか物音とかで?」
「いや、音じゃないんだけどね。ときどき目が覚めるのよ」
謎のピンポンダッシュと不眠。オレだったら呪いのせいにしそうだけど、おばちゃんは何も気にしてなさそうだ。ま、205号のいわくすを知らないんだから当然か。
しかし、礼を告げて退散しながらも、オレはあることが気になっていた。あの視点が合わない感じ、ウシの傾向じゃね?
今後もおばちゃんには要注意だ。これも初旬のことだ。春日部コ—卜で夫婦2 人で夕食をとっているとき、妻, 真由美が神妙な顔で尋ねてきた。
「知ってる?このマンションね、前に事件があったんだって。家で自殺したらしいよ」
産婦人科で知り合った奥さんから聞いたそぅだ。
そんなコトは百も承知だけど、オレはさも初耳のよぅに「へ〜」と聞き返した。
「どこの部屋なんだろ?」
「そこまではわかんないけど」
「まあ、大丈夫だろ」
「ここじやないよね?」
ここだ。ここなんだよ、真由美。お義母さんが寝泊まりしてるその部屋で、みんなが死んだんだ。
そう伝えるわけにもいかず、オレは話題を変えて場をゴマかした。気にしないで元気な赤ちやんを産んでくれ。食後、義母の昌子が帰宅した。
「ただいま〜。あぁ今日も疲れた」
「お帰り。お母さん、このマンションね、自殺があったんだって!」
「あら、そうなの?」
女ってのはこんな話題が大好きだ。どの部屋が怪しいだの、ウチじやないはずだだのと、やいのやいの話し込んでいる。
しかも義母はこんなときだけ勘がいい。
「ヒロシ君、知ってたんじやなぃの?」
「いえ、初耳ですよ」
「ほんと? 前もおかしな部屋に住んでたでしよ」
「あれは仕事だったんで…」
これも仕事だとバレたら、過去何度も自分の恥部が全国にさらされてると知ったら、義母はどんな顔をするだろう。