会話のタネ!雑学トリビア

裏モノJAPAN監修・会話のネタに雑学や豆知識や無駄な知識を集めました

同じ時間でも値段が全然違うマッサージ・エステ店

昨今にわかにマッサージブームが起こっております。歌舞伎町というヤクザとチンピラの甲子園みたいな街を歩いてもあれだけみかけた箱ヘルはほんとどなく、声を掛けられるのはマッサージエステ屋ばかりです。
マッサージ・エステと言ってももちろん健全な整体ではなく、日本語学校に通い中のお姉さんがマッサージ、スケベ、エロ、サンゼンエン幸と単語だけで勧誘してくる類です。マッサージの最後に抜きがある場合がほとんどでへルスより安い分サラリーマンに重宝されています。
細い路地に住宅街と商店街が密集している長閑な町なのですが、その中の一軒、かなり占い雑居ビルの前に「エステ4F」とだけ書かれたオレンジ色のネオンが煤々と光っています。「行ったことない」「行く気になれない」「行った人感想お願い」など、どうやら誰一人として足を踏み入れた者はなく、最後は他人任せにする始末でした。
しょうがないから夕方6時すぎに自分で電話してみると、受話器の向こぅでアジア系の女っぽい声がしました。内容と料金と予約時間を訊いたのですが「はじめてですか。私もまだ3日目なんで」と返答に困ることを言われました。
深夜2 時まで営業してるとのことで夜の8 時に予約を入れたのですが執拗に「今から来ないですか」と説得されました。「8 時が都合いいんですが」というと「じやあいつでもいいです」と言って電話は切れました。なんとい、っダィナミックで大味な接客。ますます気になってまいりました。
約束の夜8 時、ビル4 階の一室のチヤィムを鳴らすとドアの向こうでこちらに近寄ってくる足音がドタドタと聞こえました。しばらくドアが開かず明らかに覗き穴からこっちを窺つている視線を感じます。ようやくドアが3 センチほど開き、顔の濃い40代の韓国人風の女性が明らかに爆睡してました覗いてきたので思わず「お
はようございます」と言ってしまいました。
二重になつてる鍵が開き入店すると中は薄暗くほとんど見えません。いきなり「ここは初めてか」
と訊かれたので「はい」と言うと大きな溜め息をつかれ「どうしよう」とおもむろに頭を抱え出しました。「わたし、まだ、3 日目。今日、お店、私しかいない」と急にカタコトになつたので「料金表みたいのありますか」と言うとハッとした顔をして棚から料金表を出してくれました。表には3 千円、6 千円、1 万円とだけ表示してあります。「どう違うんですか」と訊くと「時間、サービス、アカスリ」と言われたので「アカスリはなくていいんだけど」と伝えると何故か1 万円のコースを勧められました。「表には載ってないけど1 万5千円、2 万円のコースもある」とのこと。どの料金がどんなサービスかもよくわからないのでとりあえず1 万円のコースを選択。ベッドがあるさらに薄暗い個室に手を引かれ連れて行かれます。廊下を歩く際に他の部屋を見たのですが客はおろか、従業員すら一人もいません。
部屋で服を脱ぎシャワー室で全身を洗ってくれました。
「他にお客さん来たんですか」
「今日はまだ」
「まだってもう8時だけど」
「10時から盛り上がる」何が盛り上がるのかよくわからないのですが「働いてるのは一人だけですか」「もう一人いるはずだけど見たことない」
とのこと。謎は深まるばかりでしたが、
まだ3 日目なんでってことで無理やり納得しました。
部屋に戻りうつ伏せになりマッサージが始まったのですが、そのマッサージっていうのがもう適当なこと山の如しです。