会話のタネ!雑学トリビア

裏モノJAPAN監修・会話のネタに雑学や豆知識や無駄な知識を集めました

火事になって閑古鳥が鳴いているサウナ

三十路を過ぎてからサウナとレモンサワーと餃子が急激に好きになったという読者も多いことかと存じ上げます。サウナが良いのかどうなのか未だによく分かんないのですが、自分も週に一度はサウナに行き無駄に汗を搔いてはレモンサワーを飲み
「一気に疲れがとれた」とか「これで1週間頑張れる」とかまるで根拠の無いことを言っております。
サウナで汗を搔くことによりスポーツジムでウエイトトレーニングでもしたかのよな気になって、その後まるでアクエリアスを飲むかのようにレモンサワーを飲み「生き返った」とか「これのために生きている」とかもっともらしいことを言って、そんな調子で仕事終わりや休みの日の午後を丸々サウナで過ごしているのです。
その甲斐あって関東近郊の主要サウナはほぼ制覇し、サウナに対してかなり、うるさくなつてしまいました。サウナの温度、広さはもちろん、仮眠室の枕の匂い、リクライニングチェアの素材、テレビのチャンネル数などチェックポイントは多々あるのですが、もっとも気になるのが「混雑具合」であります。
本来男の楽園であったはずのサウナが最近ではスパだのリゾートだのって女々しい名を付けたせいもあり、女子供の客が増加、やたらと混むようになってきたのです。せっかくサウナに来てもアベック達が休憩所を独占しており、寝ながら競馬中継を見ることすらできないのが現状なのです。そんな折、「火事になって以来閑古鳥が鳴いているサウナがある」
という情報をききつけ、早速ネットで調べてみました。そしたらお前、いきなり壁が真っ黒に焦げた写真が掲載されていたから驚きです。サウナ好きにとって最も嫌な死に方はサゥナで焼け死ぬことなのは共通の認識と言えます。それを踏まえれば、このサウナならきっと空いているに違いありません。
そんなわけでサウナが本来もっとも賑わうと言われる金曜18時過ぎに馳せ参じました。某JRの駅から徒歩5 分といぅ好立地条件に位置するそのサウナを発見し、まず建物の周囲を見て周りましたが既に改装して焦げ痕はありません。
正面の自動ドアから入店し、元スケ番と見受けられる茶色いソバージュへアの受付嬢に1050円を支払い、ロッヵーの鍵をもらいます。鍵番号は四桁あるのに〇〇16番といぅ時点で既に今日の客の入りが推測できてしまうのが悲しい限りです。
1階のロッヵーから2階の風呂場までは距離があるので一度上着を着るのですが、これがまた宝田明や舘ひろしが着るよな大袈裟なガウンであります。しようがないからそのガウンを着て館内を徘徊しました。1階ロッカー、2 階風呂場(サウナ)マッサージ室、3 階食堂• 休憩所、45階カプセルとなっており、客はゼロではないのですが、1 階から5 階までに出くわしたのは約6名ほどで圧倒的に従業員というかマッサージの人数が勝っていました。
風呂場に入る時は毎回このマッサージ室を通らなきやいけないのでその度に「マッサどうかしら」とおすぎとピーコのおすぎに似たオバサンに言われてそれを聞こえない振りをして風呂場に向かうのが居た堪れなかったです。
サウナ室は当然自分ひとり。サウナではついつい知らない客と汗の量を競ってしまうものですがその相手も!
少々寂しい思いでありました。風呂場の奥に目を向けると5 0歳前後のロシア人の女性が突っ立っており、どうやらアカスリ要員らしく、料金がなんと1300円という安さだったのでお願いしました。最初に「強めで」と伝えたのがいけなかったのか、全身の皮がめくれたんじやないかってぐら
いに痛いアカスリだったのですが、驚いたのは終わったあとに「チップ300円いか?」と耳元で言われたことです。丁重にお断りし、居づらくなったので風呂場をあとにしました。
4階の映写室に入ってみると聞いたこともない激レアな邦画( 時代劇) と洋画( 西部劇) が交互に上映されていました。マニアックすぎるのか当然のように貸切状態です。さらにこのサウナの最も異質な点は3 階の休憩所にありました。
3階のエレベータが開いた途端、中国人の女が4 、5人立っており、いきなり「飲み物はどぅか」と訊ねてきたのです。メニュー表はリクラィニングチェアの脇にあるのですが、そこに辿り着くまでに「飲み物は?」と何度も訊かれ「オレンジジュース」と言ってるのに「酒のツマミは?」とわけのわからないことも訊かれました。その後も幾度となく飲み物の追加注文を取りに来ます。
周りを見渡すと何人かの常連らしきおっさんが席で寝転がっている横で中国人女が一人ずつピッタリと寄り添い何やら世間話をしています。なんだろぅこの妖しい雰囲気。このオッサン達と中国人女の妖しげな親密さとやたらとドリンクの注文を訊きに来ることを総合して考え、これはもう何か裏があるに違いないと悟り、注文を取
りにきた女に「何かそっち系のサービスあったりするの」と訊いてみたところ、めちゃくちゃ険しい表情をされ、急に日本語ワヵリマセンみたいな顔をされ首を捻って厨房へ戻っていってしまいました。なんか自分だけがいかがわしい人間のょうな感じになり、しょうがないから5 階でアダルトチヤンネル(100円) を視聴しその後は爆睡。気が付いたら翌朝になっており、中国人女の「飲み物は?」「ツマは?」という問いかけを振り切り、チェックアウトを済ませたのでした。