会話のタネ!雑学トリビア

裏モノJAPAN監修・会話のネタに雑学や豆知識や無駄な知識を集めました

ハイレベルな進学塾と普通の塾の違いは

東京・某市に2つの塾が近接する一角がある。
ひとつは、開成高校や麻布高校など、超難関校の志望者が集まるハイレベルな進学塾。もうひとつは、学校の授業に落ちこぼれないよう、勉強嫌いのガキがいやいや通うアホ塾だ(どちらの塾も中学生が対象)。すなわち、この2塾のわずかな空間的隔たりは、そのまま秀才とアホの境界線とも言えるわけだ。
 進学塾のそばで張り込みをしていた折、制服姿の2人組が塾の入口へ向かっていくのを確認した。すぐさま声をかけた。
「あのちょっといい? ●●(アホ塾の名称)ってところ探してるんだけど、知らない?」
「あ、はい。そこの角を曲がった右側です」
 どうやらアホ塾の存在は知っているらしい。
「ありがとう。ちなみにその塾ってどんな印象かな? じつは自分の子供を通わせようか迷ってるんだけど」
 少年は「ああ〜」とうなずき、チラッと隣の友人に目をむけた。見られた友人は、下をむいて苦笑いを浮かべている。
「もしお子さんが勉強好きなら、ちょっとどうかなって感じです」
 大人びた口調で少年が答える。
「僕から見ると、なんていうか、あんまり勉強の好きそうな人がいない印象なので」
「不良っぽいってこと?」
「いや、そこまでじゃないですけど、校則違反はフツーにしてる感じです。よく駅前のゲームセンターで遊んでるのを見るし」
「へえ。正直、そういう子たちを見てどう思う?」
「うーん、別にいいんじゃないですか? そう思わね?」
 同意を求められた友人も、利発そうな顔を縦に振る。
「うん。遊び盛りなんだし、自然なことだよね」
 意外とアホ塾生に好意的だと思いきや、最後の最後で少年から強烈なひと言が。
「たぶん、目標があるかないかだけの違いなんじゃないですか?僕はカリフォルニア工科大学に進学したいから勉強してるし、隣りの友だちは千葉大の医学部に入るって目標があるし。●●の人は、きっとそういうのないでしょ? だから中学生らしく遊んでるのを見ても悪くは思いません」
 くぅ〜、ご立派だこと!続いてアホ塾の入口付近へ。そのまましばらく待機していると、中学生らしき少年がこちらへダラダラと歩いてきた。
「あの、この辺に××(進学塾の名称)って塾があるハズなんだけど、場所知らない?」
 少年は表情を変えずに答えた。
「あの頭イイ塾? そこを左に曲がったらすぐです」
 ふむ。アホ側も進学塾のことは認知してるようだ。
「ありがとう。キミも××に通ってるの?」
「ううん。こっちの方」
 アホ塾の看板を指さしている。
「ああ、ここにも塾があるんだね。どう、通ってて楽しい?」
「いや別に…」
「勉強は嫌いなの?」
「面倒くさいっす」「そっか。ちなみに××ってすごくハイレベルな進学塾なんだけど、そういうとこに通ってる中学生に対してどんな印象あるかな?」
「え?」
「だから、××に通ってる子のことどう思う?」
 相変わらず表情を変えず、少年はゆっくりと首を傾げた。
「うーん、暗い感じ。あとイジメられてそう」
「なんでそう思ったの?」
「自分の学校の頭いいヤツがそんな感じだから」
 上目遣いにおじぎをして、少年は塾の中へと消えていった。