会話のタネ!雑学トリビア

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4円パチンコと1円パチンコの客層の違い

パチンコには4円パチンコと1円パチンコがある。前者は玉1個を店から借りるのに4円かかるが、後者は1円で済む。言い換えれば、1000円で250発打てる4パチに対し、1パチは1000円で1000発も打てるわけだ。
 もちろん換金時の金額も、1パチは4パチの四分の一となるが、軍資金の乏しいパチンカーには、同じ投資額でよりたくさんの球数で勝負できる1パチに人気が集まったりする。その意味で、4パチ台のシマと1パチ台のシマは、リッチパチンカーと貧乏パチンカーの分かれ目でもあるのだ。
 都内某所のパチンコ店を訪れた。この店は同じフロアに4パチのシマと1パチのシマが通路を挟んで並列に配置されている。さぞかし互いの意識がせめぎ合っているに違いない。
 4パチのシマを歩いていると、「交渉人 真下正義」の台で、ドル箱を積み上げているオッチャンが目に留まった。隣りの台に座り、タイミングを見て話しかける。
「景気いいっすねえ。よく来られてるんですか?」「うん、わりと来てるほうかな」
「いつも4パチなんですか? 1パチは全然?」
 それまで台を眺めていたオッチャンが、ふいにこちらを向いた。
「1パチ? やらないよ、あんなの。バカバカしい」
 おっと、かなり見下した表現が飛び出したぞ。
「そんなバカバカしいですかね」
「そらそうでしょ。勝ってもカネになんないじゃん」
「でも、お小遣いの少ないお父さんたちには人気みたいですけど」
 失笑が起きた。
「へっ、どうせ4パチよりたくさん打てるから勝ちやすいとか思ってんでしょ」
 そう言って、ふたたびオッチャンが振り向く。
「パチンコをわかってないのよ。同じ設定の台ならさ、4パチだろうが1パチだろうが大当たりの確率は一緒じゃん。だったら4パチの方がずっと割がいいのは決まってるでしょうよ。たくさん打てるかどうかはあんま意味ないし」
 うむ。
「じゃ、お父さんからすると、1パチしてる人ってどんな風に見えるんです?」
 オッチャンは顔をスッとおれの耳元に近づけ、そっとささやいた。
「ケチ臭いうえにバカ。どうしようもねえよ」
 1パチのシマで話しかけたのは、「海物語」に興じる30前後のニーチャンだ。
「調子どうです?」
 爽やかな笑顔が浮かんだ。
「いや〜全然っす。ウンともスンとも言わないっすよ」
「よくこの店来るんですか?」
「暇なときにちょろっとって程度ですね。今日もこれから飲み会があるんでそれまでのヒマつぶしって感じで」
「4パチはやらないんですか」
「ほとんどやらないっすね〜。お金もったいないし」
あくまでもパチンコはヒマつぶしにやるだけで、それでカネを得ようとはあまり考えないという。
「勝てばラッキーとか、それくらいの感覚ですよ」
「じゃ4パチをやってる人ってどう思います?」
「好き好きですからね、これといって特にはないですけど。まあ、でも向こうはやっぱガチ感が違いますよね」
「ガチ感?」
「勝ちてぇ、カネ欲しい〜ってオーラみたいなもんですかね。1パチのところはみんな涼しい顔してますもん。気楽ですから」
言われてみればたしかに、あちらと比べて、こちらはどことなく穏やかな雰囲気かも。
「でしょ? あっちだと殺気立ったオッサンとかフツーにいますもん。台叩いたり、舌打ちしたりして。みっともないし、ああはなりたくないなぁって思いますよ」
 ごもっともだ。