会話のタネ!雑学トリビア

裏モノJAPAN監修・会話のネタに雑学や豆知識や無駄な知識を集めました

大麻が合法的に吸えるアムステルダムを歩く

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先日、古本屋でパラパラ立ち読みしていると「アムステルダム特集」なる記事が目に止まった。なんでも、かの地では飾り窓を始めとするセックス産業や、大麻の喫煙が政府から容認されており、まさに堕落人間の天国だという。むむう。思わずのけぞってしまう。アムスが「セックス&ドラッグ王国」だということは、もはや世界の常識。いまさら大騒ぎすることではない。が、こう改めて事実を突きつけられると、どうにも尋常ではいられない。そもそもオレは、女やドラッグに目がなく、折りをみてはインドやタイなどに出かけるおバカさんである。ここらで目先を変え、西洋屈指の極楽浄土を拝んでみるのも面白いんじゃなかろうか。輝く太陽の下、上品なアムスの街角でハッパをスパスパー服。で、七色気分のまま飾り窓に行き、金髪様と戯れる。ほほう、そんなことをしてくれますか。じゃボクはこんなことをしてあげましょう・・

うひひ、悪くない。全然悪くないぞ。というか、こりゃ行かなきゃ収まりがつかんでしょー。こうして浅ましい欲望に負けたオレは、機上の人となったのだった。
やっと見つけた宿は改造された漁船だった

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スキポール空港から電車を乗り継ぎ約20分。アムステルダム中央駅に着いたのは午後?時半だった。観光客でごった返した通路を過ぎ、出口を抜けると、アムスの街並みが飛び込んでくる。高緯度に位置するオランダの日没は夜の10時ごろと遅く、まだ明るい街中を走る運河が古城をバックにキラキラと輝いている。くわあ、これぞヨーロッパ。めちゃくの独特な香りに包まれているのだ。改めて駅の周囲を注意深く見回すと…いたいた。ベンチゃ橋のたもとなど至るところにバキバキにキマった輩がへたれ込んでいる。

感動はさらに続く。先程からなにやらイイ臭いが鼻腔を刺激すると思ったらマリファナではないか。くー、さすがアムス。街全体がなんと開けっぴろげな。これまでタイの小汚い安宿でチマチマ吸っていた自分には信じられない光景だ。すげーなー。天国の片鱗を目の当りにし、オレは色めきたつ。よし、さっさと宿を決めて、街を探索しなきゃ。が、ここで問題が起こった。持参したガイドを見つつ、片っ端からホテルへ連絡するも、空き部屋がまったく見つからない。元々ホテルの数が少ない上、この時期アムスはバカンス中の欧米人が殺到していたのである。慌てて目に付いたホテルや宿に手当たり次第飛び込んでみたが、結果は同じ。気が付くと日はとっくに沈んでいた。わぶぶ、どうしよう。ジャンキーたちが俳個する街で野宿なんて冗談にもならん。困り果てたオレは閉店まHIJの観光案内所に飛び込んだ。と、

「運河近くのホテル『シーザスランド』なら1部屋取れますよ」

おお、ラッキー。すでにヘトヘトの体に、その係員がいった「ホテル」という奇妙な単語に違和感を感じる余裕などあるはずもない。朝食付き1泊100ギルダー(ーギルダー約50円)という安さにもつられ、オレは即座に3泊分、300ギルダーを支払い、クーポン券を受け取とった。果たして15分後、与えられた地図を頼りに辿り着いた場所は桟橋だった。はて、ホテルはどこだ?

「あの、『シーザスランド』ってどこにあるかわかります?己付近で作業をしていた漁師風のオッサンに尋ねる。と、「…お前、目が見えねーのか?そこに浮かんでるじゃねえかよ」乱暴な口調のオッサンが指差した先には1隻の船。それも中型の漁船を改造したオンボロだ。ほう、まさかボテルがボートホテルだったとはねえ。こりや1本取られましたなあ。ってブタ野郎、紛らわしい省略するんじゃねえっ。結局、揺れる船室を呪う以外何もできず、ァムス初日は虚しく終了した。
ラリラリ白人娘に聞いたコーヒーショッブ
翌朝、船のデッキで簡単な朝食をとった後、さっそく街の中心部に足を運ぶ。今日の目的はコーヒーショップ。ここで、上質のマリファナを購人しようって算段だ。なにしろ、毎年1回アムスで開催されるマリファナの世界大会「カンナビスカップ」に出展するため、各店の品種改良に対する情熱は半端じゃない。中には、吸いなれた人でさえぶっ飛んでしまうエグイものまであるって話だ。とはいえ、コーヒーショップは市内だけでも約400軒。どの店へ行けばいいのやら…。

道すがらあれこれ考えているうち、いつのまにか大きな広場に行き着いた。その中央にそびえるモニュメントの側には学生風にヒッピーくずれなど、大勢の若者がくつろぎ、中にはハッパをうまそうに吸っている連中もチラホラいる。蛇の道はヘビ。コイツらなら何かhしら情報を持っているのでは。折りよく、1人でボーッとしてーいる白人娘を発見。

一あの、お勧めのショップとかあれば教えてもらえないかな一

「えーとっ。いいコーヒーショップ知ってたら教えてくんない?」
「・・こ、コーヒーショップ?ああ、ちょっと待って・・」

草を吸って相当キマっちゃってるのだろう。少しことばを発しては自分の世界に帰還し、リアクションを起こす気配がまるでない。頼む、しっかりしてくれー

「ああ、ごめんなさい」大きな声に驚き、ハッとしたようだ。カバンに手を突っ込み、急にゴソゴソし始める彼女。出てきたのは「コーヒーショップ・ベスト10」と書かれた地図だった。おお、いいモン持ってんじゃん。

「これ…あげる。ブルーバードつて店…いいよ」「ありがとう。行ってみるよ」ラリラリ娘と別れて15分。目指すブルーバードはあっさり見つかった。文字通り青で統」された店内には、植物の絵が至るところに描かれており、遠目には小さな植物園のようにも早える。が、御察しのように、絵はすべて大麻早だ。軒先からプンプンとブツの臭いが漂ってきた。いやー、実際入り口に立つとどうも緊張するなあ。「ジャップー・」なんつって殴られたらどうしましょう。
腹を括る間、何度も入り口付近を往復する。ヤバイ。店内の客もいい加減、不審な表情を浮かべ出したぞ。入るか・・
ハイ、ジャパニーズー何が欲しいんだい?
とりあえずマリファナが草える2階へ上がると、カウンターの前に若者が列をなしていた。皆、レジ近くに備えつけられた、十数種類のハッパが一覧できるメニューを一心不乱に見つめている。オレもヤングたちの後に並び、待つことたったの1分。すぐに順番が回ってきた。「ハイ、ジャパニーズーお前は何が欲しいんだいP・」親しげに話しかけてきたのは全身タトウーとボディピアスに包まれた青年店員。風貌に似合わず実に爽やかだ。ようやく肩の力が抜けたオレは、英語とジェスチャーを交え、ペラペラやりだした。

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「草が欲しいんだけど、何がお勧めなの」合点とばかりに領いた爽ゃかさんは、メニューを開いて説明を始める。いわく、この店ではマリファナやハ、ンシ(大麻樹脂)が、種類に限らずワンパケ約2グラム単位で販売されているという。価格はまちまちで、安いモノは8ギルダーからあり、もっとも高価なもので25ギルダーとのことだ。オレは「スーパースカンク」と「ジャマイカ」を1袋ずつ購入することにした。どちらも同店の最高級品だ。アムスくんだりまで来て、しみったれたモノは吸いたくない。ちなみに「スーパースカンク」はオランダでもっとも人気のある国産種の1つで、一方の「ジャマイカ」はその名の通りジャマイカ産である。いずれもかなり強力なブツというふれこみだった。ならばさっそくその効きを味わおうと、1階の喫茶スペースへ。
とりあえずスーパースカンクを適量刻みタバコに混ぜ、ジョイントを作成。火をつけ、チューと肺に送り込む。うーん、ウマイ。実に上品な味わいがするぞ。あっという間に1本吸い尽くしし、再び街へと繰り出す。さて、これからどうなるのかしら。はは、なんか期待しちゃうなあ。
いまアホの坂田に会ったら笑い死ぬー

果たして、効きは強力だった。まず両目の周りがジンジンし出し、油断すると眼球がポロリと落ちそうになる。うわ、すげえ。思わず両手で目を覆い、ソロソロ歩く。そしてその憐れな姿タショーウィンドウで確認すると、言いようのない笑いが込み上げてきた。「ぎゃはははは。なんだ、なんなんだオレはっ」とにかく見るもの見るものがおかしくて仕方ない。すれ違う人の顔を見てはブブッと吹き出した。ああ、いまアホの坂田にでも遭遇したら笑い死ぬーっ。なんて想像しただけでもうダメ。もう誰か止めてー・ヒーヒーいいながら地面にはいつくばって30分。ようやくバカ笑いが収まったかと思いきや、今度は、周りの空気がシルクのように体にまとわり付いてきた。街の騒音がさざ波の音色に変化する。視覚も同様。幻覚こそ見なかったものの、降り注ぐ太陽の光がことさら強調されて見える。その神々しさといったらーよっしゃ、もっと見晴らしのいい場所へ行ってみよう。緑の豊かな公園も捨てがたいが、やはりアムスといえば運河だろ。けだるい体を引きずり引きずり岸辺に到着。あたりは静かで、耳に届くのは小鳥のさえずりや時折近くを通る遊覧船のモーター音だけだ。のどかやのー。どこに座ろうかキョロキョロしていると、向こうの方で見覚えのある人物が件んでいた・。先程コーヒーショップ地図をくれたラリラリ娘だ。水面を凝視して固まっている。あら、まだイッちゃったままだよ。「さっきはどうも。おかげでオレもいまイィ感じだよ」
「あ、そう。水を見てると素敵よ…。ハイパーで…」

聞けば彼女、ジェニファーは地元アムスにある美術学校の学生らしい。ときおりこうして運河や公園に出向き、草を吸ってはインスピレーションを養っているとか。そんな思考の止まった状態でインスピレーションもクソもないが、気にしない。なんたってキミ、カワイイもん。寝そべり出した彼女の側に添い寝するような格好で横になる。くく、ドサクサに紛れて口説いちゃおっかなあ。いや、やっぱり違うな。今はこのマリファナの効きを楽しむ方がよろしい。こうして幻想的な水の流れを観察していると、もう幸せで・・