会話のタネ!雑学トリビア

裏モノJAPAN監修・会話のネタに雑学や豆知識や無駄な知識を集めました

ブレミア化する子供向けの流行商品の間に入ってマージーンをかすめ取るビジネス

もう3年くらい前のことだろうか、岡山に住むオレがプレステのソフトを買おうと、地元の中古ゲーム屋を覗いたときのことだ!近くのテーブルに小学生が数人集まって、やいのやいの騒いでいる。

「おい、何やっとんじゃ?」「おっちゃん知らんの?」

「知らんから聞いでんのや」「ユーギオーや」「ふーん、何やそれ」

ガキの説明を聞いてもよくわからなかったが、要はそれぞれか持っているカードを戦わせて、勝った負けたなんだかんだと奪い合っているだけのようだ。そういや、オレらもガキのころはスーパ―力ー消しゴムで同じことやっとたなあ。ホンマにいつの時代も子供はアホやのー。ちゃんと勉強せえよ。

それからひと月ほど後、私用で大阪に行ったついでに、プレステソフトを買おうと中古ゲーム屋に入ったとき、レジ前におかしな表を見かけた。

よくわからんカード名の横に、5千円だの6千円だのと書いてある。遊戯王ってユーギオーのことかいな。なんであんなもんかこんな高いんや。

「何これ、カード5千円で買うてくれんのか」

「はい、モノによりますが」「はーん、どういう意味や」

店員に言わせると、遊戯王カードには滅多に入手できないレアカードと、二束三文のノーマルカートがあり、買い取ってくれるのはレアの方だけ。中には10万もの値段で引き取るブレミアカードもあるらしい。

「ふーん、ちゆうことはこのレアカードを持ってきたらええんやな」

「ええ、傷などがあると価値が下がるんですが」「なるほどな」

すぐさま買い取り価格表を一握りしめたオレは、岡山へ戻った。あのガキら、レアカーード持っとるんちゃうんか?

小遣いやるからそれでまたカード買え
次の土曜、オレは例の地元ゲーム屋へ足を運んだ。同じように力キが5人ほどで遊んでいる。

「おう、元気やったか」「おっちゃん、どうしたんっ」

「ええ話かあるんや。ちょいこっち来てみ」

店員に見られないようにガキ共を店の外に連れだしたオレは、財布を出して言った。
力ードは対戦場にいる小学生から買い取る
そのカード買うたろ思て

「え?」「小遣い欲しいやろ。その金でまたカード買うたらええやないか」「ホンマにっ」

ハハハ。やっぱり小学生は金に弱いもんや。おっしゃ、オマエらレアカードを放出せいよ。

「ホンマやホンマや。ほな持ってるやつ言えよ。えーレツドアイフラ」「フラックメタルドースコン」
「おう、それやそれ」「持ってへん」「なんや、持ってへんのか。ほな次トライホーン」「トライホーンドラゴンーじゆん君が持ってる」

「じゆん君どこや?」「塾行ってる」

まったく、こいつら使えんのー。

「次、千年の、何て読むんやーこれ」

「千年の盾、持ってるで」

「お、持ってるのか。よっし一や500円で買うたろ」

「これはあかん、レアカードやから」

なにこいつらレアカードのこと知ってんのか。くそ、田舎モンのくせして。

「な、何を言うてんのや。500円もらえるんやったらええやろ」
「500円やぞ、500円」「うん、わかった」

「よつしゃ。次ー」

こうして土日を使い、8千円ほどで買い上げたカードは、大阪に持って行くと2万ちょいになった。こんなもんでは足代にもならんなよっしゃ、もうちょい本格的にやってみるか。
親の同意がない小学生はオレに頼るしかない
ここで皆さんは疑問に思われるだろうrなんで小学生がそんな簡単にレアカードを手一放すのか。ガキとはいえそれ一ほどアホじゃないだろう、と確かにそのとおりだ。当時から、レアカードが高価で取り引きされていることは小学生でも知っていた。

だがまず第一に大阪に出ることもなくインターネットも使えない連中は、カードを換金する術を持っていなかったし後に岡山に独自に買い取りを行う店が現れだしてからも、未成年か売るには親の一同意が必要だった。

そもそも小学生の親が、子供に現金のやり取りなどさせたがるわけがない。結局、安く叩かれようが、彼らはオレの元に集まってくるしかないのだ。

「おっちゃんが買うたるで」「ホンマにっ」

「千円でどうや」「なんでや、あそこに2千円で買うって書いてるやん」

「あれは店やから、お母ちゃんの許可もらわなあかんで。そんなん怒られるやろ」

こんな調子で、オレは週末になる度に県内の中古ゲーム屋を回り、小学生からカードを買い取っては、月に1度大阪へ行くついでに現金化した。利益はせいぜい4、5万だったが、これはこれでオイシイ。小学生のネットワークは、オレが思っていた以上に広範囲だった。そのうち県下のあらゆる学校の生徒から「こんなカードはどうや」と携帯に連絡が入るようになり、わざーわざレアカードの所在を探さなくても済むようになってからは、商売も効率的に運び出した。
遊戯王なんて何を古くさい話をと思われた方、あなどってはいけない。オレは今もこのやり方で定期的な副収入を得ているのだから。最近は高学年の連中か、マジックギャザリンとかいうカードに興味を示し始めたため、対象はもっばら2、3年生のガキに移った。はした金で釣れる分、好都合だ。

近頃の子供向けの流行商品は、一部のキャラなどをブレミア化することで人気を煽ることか多い。自然、それら品薄商品の価値は高騰するのに、子供は現金化する術を持たない。ブームそのものに栄枯盛衰はあれど、間に入ってマージーンをかすめ取るビジネスは永遠に続くだろう。