会話のタネ!雑学トリビア

裏モノJAPAN監修・会話のネタに雑学や豆知識や無駄な知識を集めました

外人相手の不動産の又貸し・転貸しビジネス

50万、60万の物件を家賃2倍で貸し付ける

韓国クラブ、フィリピンバブ、口シア&東欧系キャバクラ、連れ出しoKの中国系スナック・。新宿歌舞伎町や大阪のミナミといった大きな盛り場には、これら外人バーと呼ばれる飲み屋か軒を連ねている。読者の中には、贔屓の店をお持ちの方もいるだろう。

が、ご存知だろうか。実はこの手の店の多くが、又貸しつまり間に人を介して借りられた物件であることを。考えてみてほしい。水商売をやりたいと言ってくる外国人客に、いったいどこの不動産屋がホイホイ部屋を貸すだろうか。いくら不況とはいえ、それはムリな相談である。

そこで、転貸し屋という商売が存在する。自分で不動産屋から部屋を借り、家賃に金を上乗せして外国人に又貸しするのだ。何やら裏社会だけの話に聞こえるかもしれないが、転貸しをやっている人間のほとんどが、いわゆる力タギである。暴力団組織に属している人間は、不動産自体を借りることができないのだ。ならば、自分もこの仕事にありつけないか。皆さんがそう考えるのも不思議ではない。実際、転貸しだけでメシを食っている人間は存在するし、ある意喋これ以上ラクな商売はないと言ってもいい。

では、どうすれば転貸しで稼げるのか。いや、そもそも店貸し屋になること自体が可能なのか。いちばんの問題は、又貸しの相手うまり店をやりたいという外国人をどうやって探すのか、これについては、やはり彼らとコネクションを築いていくしか手はない。

あえて言えば、水商売に就く女性の中で、「自分の店を持ちたい」と考えているコが狙い目だろう。「店をやって儲けてみないか」と話を持ち掛け、相手が乗ってくれば、まず自分で店舗を借り、その後で女のコと又貸しの契約を結べばいい。この場合、通常の賃貸物件のケースと同様、敷金・礼金を取れば、自分が最初に借りる際の初期投貸も取り返せる。さらに、日本人の保証人を立てさせ、契約書に本人のサインを記入させるのが通例。いくぶん大げさに聞こえるかもしれないが、多くの転貸し屋はこのような手はずで契約を交わしているのだ。

肝心の利幅については、物件によって違ってくるものの、平均的には元値の2-3割ほとだろうか。例えば現在、新宿・歌舞伎町の賃貸物件の相場は、坪あたり3-4万。15坪ほどのスナックで家賃50~60万くらいだが、これか転貸しされると70-80万前後まで上がるという(バブル期は2倍貸しが当たり前だったらしい)。
夜逃げよりコワイ不法就労と売春
賃貸物件となると、誰にでも貸せるというわけでもない。実際、家賃の滞納や夜逃げは転貸しにおいて最も多いトラブルである。外人バーが決まって数力月おきに中身がコロコ口変わってしまうのは、こうした金銭面での間題が絶えないからだ。言ってみれば、それを見越して相手かり敷金や保証金を取るわけだが、やはりヤラれた方はタマったもんじゃない。

また、外国人が相手だけに不法就労や売春などの犯罪がカラんでくれば夜逃げ以上に面倒なことになる。それを考えると、気苦労だらけで決してラクとは言い切れないのがおわかりだろう。ここ数年、歌舞伎町では2部制を採用する店が増えた。夜7時から深夜までは又貸しの相手に店をやらせ、それから早朝5時までは自分でスナックを開店といった具合に、交替で使うのだ。世は大不況。そうでもしなきゃ、又貸しで食うなんて到底できないのかもしれない。

水商売の店は住居用として貸しもある
もし、雑魚寝部屋暮らしに飽き飽きした外国人ホステスと知り合いになったら、「部屋貸そうか」と切り出してみてはどうだろう。ただし、確実な家賃収入が見込めるかどうかは、お店同様、保証の限りではない。