取消になっても国際免許があるさ
行きつけの雀荘に車で乗り付けては違法駐車を繰り返していた私は、減点減点でいよいよこりゃヤバイというとき、運亜で40キロオーバーのスピード違反が発覚。
気に減点6を食らいういに免許取消処分になってしまった。しかし近所のコンビ二まで歩くのも億劫な人間にとって、ー年もの間、車に乗れないってのはチトきついんではないかい。そこで私は一念発起、国際免許の取得に活路を見い出すことにした。
国際免許、これがあれば日本の免許が取消中でも自由に日本国内を運転できるとのことだし、しかもどういうわけか違反を犯しても切符を切られないとの噂もある。これを機会にいっちょ取得してやろうじゃないの。日本の免許なんていらんわい
コロラドなら簡単に取れる
国際免許取得には、タ刊紙などでよく見かける代行業者に頼む手もあるが、料金が高いのが難。しかも偽造モノを掴まされる危険もある。私は独力でなんとかする方向で動いた。ネットや文献で調べたところ、アメリカ・コロラド州で試験を受けるのがいちばん手っ取り早いらしい。
銃や麻薬に対し規制が緩いことで知られるコロラド州は、免許取得に関しても基準が甘く、他の州だと外国人か免許を取得するにはパスポートと併せてソーシャルナンバー(住民票のようなもの)が必要だが、コロラドではパスポートと入国申請書(飛行機内で記入する書類。パスポートにホチキス止めされる紙のこと)のみでOKとのこと。
つまり、アメリカに住んでいるわけでも永住権を持っているわけでもない外国人には持ってこいなのだ。さっそく私は単身渡米。少々の不安はあったが、試験は終始問題なく進んだ。筆記も実技も楽々クリアし(ワイパーと指示器が左右逆なのには手こずったが)、即日アメリ力国内免許を取得。その足でアメリカ自動車協会(AAA)に出向いて申請するだけで、簡単にー年間有効の国際免許が手に入った。
ちなみにかかった費用は、宿泊費渡航費ブラスー万円程度だ。
せっかく渡米して取得した国際免許だが・・
減点は、免許ではなく個人が対象こいつがあれば、もう怖いものはない。日本に帰ってからの私は、またぞろ雀荘に繰り出しては好き勝手なところに車を停めまくった。しかし違反してもOKというのはガセだったのか、以前同様に駐禁ワッカは付けられたし、罰金も取られてしまう。ま、とはいえ、こちとら国際免許、日本の行政処分である対象にはならないはず。罰金程度で済むならいくらでも払ってやろうじゃないの。そう私は開き直っていた。しかしそんな折、ー枚のハガキが自宅に届く。警視庁に出頭するようにとのことだ。あれ、なんか悪いことしたっけな
★かくして、私が公安委員会より頂戴することになったのが次の処分だ。
「自動車等の運転禁止。要は、向こう3年間いっさい運転してはならぬとのお達しだ。相当キビシイ。見れは、国際免許になってもちゃっかり減点対象になっており、しかも国内免許時代の減点6まで加算されている。
「国際免許なのに、なんで日本の行政処分が適用されるんですか」
そう突っ張ってはみたものの、
「減点はあくまで個人に対して」
であり、免許か変わろうがまったく関係ないとのこと。ただ、国際免許には「取消」「停止」といった処分を下せないので「運転禁止」というシャレにならない裁定となったようだ。私と同じような案件で呼び出しを食らっていたオッサンは、
「今までこんなことなかったのになあ」と嘆いていた。おそらくや警察は、国際免許が黄門様の印篭とばかりにもてはやされる風潮を危倶し、最近になって厳しく動き始めたんだろう。私は今、歩いて雀荘に通っている。そのせいか、勝率は極めて悪い。