会話のタネ!雑学トリビア

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フェイスブック、ミクシー、ツイッターSNSを駆使して花見メンバーを集めるリア充

そんな夢と希望溢れる新年度からいきなりリア充が我々との差を見せつけてくるのが花見である。どういうシステムなのかよく分からないが、あいつらは俺らと一緒に新しい環境になったばかりのはずなのに、花見になると既に10人以上のグループを形成してワオワオやってるのだから不思議である。普段街中にどんな綺麗な花が咲いてようが一言も言及しないのにこの時期になると途端に「そろそろ桜の季節でアガるね」とか「八重桜見なきゃ春が始まらないね」とか言い出すのは不思議なものである。
 どうやら聞くところによれば花見をやるにしてもせいぜい集められて3人が限度の我々と違って、あいつらはフェイスブックやらミクシー、ツイッターなどのSNSを駆使して花見メンバーを募っているという。グループによっては外国人も含めて40人、50人の大所帯をサクッとリアルに集められてしまうのだから、我々のように2ちゃんねるベッキー乙武君を叩くことに命を懸けている連中とはネットの使い方がまるで異なる
のだろう。今回、誰でも参加自由の某SNSの代々木公園花見オフなるコミュニティに参加してみることにした。現地集合、現地解散、途中抜け、飛び入り参加自由というリア充特有の柔軟さが売りの会合である。
土曜の11時から夕方まで開催しているとのことなので早速昼過ぎに現地へ向かった。この時期は代々木公園全体がリア充の甲子園と化しており、我こそはというリア充が首都圏からワサワサと集まって来ている。俺のホームグラウンドの上野公園とはメンツがまったく違うし、上野ならおっさんがワンカップとどの部位か分かんない謎の串焼きで一杯やってるのが相場だが、代々木となるとピザだのワインだの、食ってる物の配色からして華やかである。地図で示された開催場所に到着するとなんと既に20人以上のリア充がワオワオしてて、思わずそのまま素通りして渋谷のパチンコ屋エスパスに行こうかと思ったほどだった。しかも半分弱は外国人の参加者である。その大きな輪の中央にギターを弾いた連中が3人、その横にはカホンという太鼓のような打楽器を叩いている男がいて、どこかの国の聞いたこともない民謡を全員で
We are the world」のノリで歌いながら各々が身体を小刻みに揺らしている。
「適当に座ってその辺のお酒飲んじゃっていいよ」と主宰者らしき日本人の20代半ばの明らかに年下の男にタメ口で言われたのでしょうがないからブルーシートの上に着席。居心地の悪さは半端なく、周りを観察して〝ぼっち〞になってそうな人間を探すとシートの隅っこでジムビームをボトルのまま震えながら飲んでいる、明らかに間違って来たであろう30代後半の男がいたので思い切って声を掛けてみた。彼は静岡からわざわざ来たらしく若干三河弁が混ざっており「一度で良いから代々木で花見してみたかったんだわさ」と彼もこのオフ会の規模の大きさに明らかに動揺&後悔している様子だった。周りを見ると同じグループ内でも様々な奴らが点在しており、なぜかシートに寝転がって村上龍の小説を読む者、抱き合って今にも本番しそうなロシア人カップル、マックPCで何かを激しくタイピングしている者。きっと各々が考えた自分なりのリア充像を演じているに違いない。そんな中どうしていいか分からずに静岡の男とうろたえていると、いきなりエレキギターを持ったオールバックの男が我々の目の前に立ってギターソロを弾き出したのである。歌があるならまだ手拍子やハモったりしながら対応もできるが、ギターソロのみである。どんなリアクションをしていいのか全然わからなくて明らかにこちらの顔が硬直してるにもかかわらず鳴り止まないギターソロ。
そうかと思ったら奥でカホンを叩いていた男が急に謎の奇声を発した。よく見るとカホンが血だらけに染まっている。「叩きすぎで指の豆が潰れちゃったよ〜、やんなっちゃうよ〜」と男はなぜか誇らしげに笑っている。訊くと毎週代々木公園でカホンの練習に勤しんでいるという。そもそもこいつら以外にも代々木公園で楽器の練習をしている輩はやたら多いが、本当にここが自宅からの最寄りの公園なのかは甚だ疑問である。絶対に自分ちの近くの河川敷の方が練習しやすいはずだろうが。
とうとうそのあともギターソロは鳴り止むことはなく、ふと隣を見たらいつの間にか静岡から来た男は荷物ごといなくなっており、俺の周りは外国人だらけ。身長2メートルはありそうなアメリカ人の男と目が合って思わずギブミーチョコレートと言いそうになってしまったのであった。後半は自撮り棒を持たされてリア充グループと強制記念撮影大会。ついにその空気に最後まで慣れることなく、泣く泣く上野公園へと帰郷することと相成った。