会話のタネ!雑学トリビア

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ペニーオークションとはいったい何だったのだろうか

〈家電が最大99%オフ! 1円で落札できちゃうかも?〉
液晶テレビやipodなど人気商品のオークションが格安の値段からスタートし、うまくいけば数千円で落札できる、と謳ったものだ。
これらは ペニーオークション(ペニオク) と呼ばれ、独特のシステムを採用している。まず特異なのは、出品者がサイトそのものである点だ。
ヤフオクなどは一般ユーザーが出品するのに対し、ペニオクではサイトが商品を用意している。いつも人気商品が出品されてるのはこのためだ。次に、入札にカネがかかる点も見落とせない。ユーザーはあらかじめポイントを購入し、商品を入札するたびに1ポイントを使わなければならない。1ポイント=70円程度。競り落とそうと何度も入札を繰り返せば、どんどんポイントは減っていく。もちろん安く落札できれば、多少のポイントを払っても十分モトは取れるのだが、これがなかなかうまくいかない。ライバルが非常に多いせいで、たいてい競り負けしてしまうのだ。ポイントだけ使って落札できないなんてバカみたいな話である。
これ、サイト側にすればよくできたシステムと言える。
仮にテレビが1円で出品され、最終的に5千円で落札されたとしよう。金額の上昇幅はたいていの場合1入札につき1円なので、使われるポイントは75円×4999回=37
万5千円。これがすべてサイト側の利益となる。5千円でテレビを持って行かれたところで痛くも痒くもないわけだ。しかし。ここである疑念が生まれる。サイト側でサクラを用意している可能性はないか? サクラが金額を吊り上げて一般ユーザーにポイントを消費させればサイトはボロ儲けでは?しかも最終的にサクラに落札させてしまえば、商品を手元に残したままポイント分の儲けが出るではないか。はたしてペニオクにサクラはいるのかいないのか。非常に疑わしい事例を挙げてみよう。
①定価ぴったりでオークション終了
ペニオクにおけるサクラは、自動プログラムで入札に参加していると考えられる。一般
ユーザーが安く競り落とそうとしても、一定金額まではサクラが自動的に釣り上げるシ
ステムだ。ある望遠鏡のオークション終了時点のものである。なんと定価ぴったりで落札されている。希少品でもないのに、わざわざオークションで定価までつり上げるバカがいるだろうか。
これ、サクラの設定金額を定価にしたためと考えられる。元々、商品は写真しか存在しないため落札させるわけにはいかない。サクラが定価まで頑張れば一般ユーザーは途中
であきらめてしまうだろう―。というわけだ。後半まで付いていったユーザーは大損である。
②同じ商品が同じ金額で落札
ペニオクサイト上の「過去の落札商品」なるページにも不審な証拠が残っていることがある。共にiPODタッチのオークション終了画面だが、違う日のオークションなのにまったく同じ価格で落札されている。この現象も、サクラの金額設定が存在することを示唆している。おそらくサイト側は同じ商品なのだからと、安易にサクラの上限金額を同一に設定したのだろう。
④定価の倍以上で落札される精米機
定価3万9800円の精米機が、なぜか3倍近い11万円まで上昇している。サクラの上限額を誤って入力してしまったがゆえの結果だろう。さらに言えばこのオークションにおいてサクラは一人だけではない。たかが精米機に一般ユーザーが定価の倍以上まで必死に競るはずがないのだ。途中からはサクラ同士の競り合いだったものと思われる。