会話のタネ!雑学トリビア

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小学生にあくどい商売をする男

※この記事はフィクションです。読み物としてお読みください。

ショッピングモールなんかで見かけたことはないだろうか。ガキんちょどもがカードの束を手に、ワイワイ集まっているゲーム機を。あれ、手持ちのカードを機械に突っこむと自動でゲームが始まり、強いカードが勝ち、弱いカードが負けるという、しょーもないほど単純な遊びなのだが、いつの時代も子供はアホなもので、どいつもこいつも強いカードの入手に血眼になっている。強くするために何度もゲームを続けて小遣いをなくす小学生の多いことよ。まったくあくどい商売だ。
オレはそんなガキんちょたちに、強いカードを販売している。手口をひと言でいえば、偽造である。カード自体をまんまコピーするとかそういう話ではない。この手のカードは、裏面に書いてあるバーコードに強い弱いの情報が入っているため、そこをいじるのだ。実はネット上には、マニアたちによって、あらゆるカードゲームのバーコード情報(英数字データ)が紹介されている。「某機械メーカー技術者パパの不定期更新」などが有名なサイトだろうか。強いカードの情報を見つけたら、「MiBardode」というパソコンソフトを使い、ボタン一発で英数字データからバーコードを作成する。そいつをカードに貼り付ければ一丁上がりだ。ガキんちょどもは、手持ちのカードをコツコツ強くするみたいな楽しみは別に求めてない。とにかく手っ取り早く勝てるブツを欲しがっているため、見た目のヘンテコなカードでも飛ぶように売れてしまうのだ。過去、仮面ライダーのレアカード「ダークキバ」は1千円で売れたし、アイカツの「ブルーミングトップス」は2千円で売れた。ただこのせいで、最近はガキどもも「結局カネ次第でどうにでもなるのか」とシラけ始めており、オレもちょっと困っている。