会話のタネ!雑学トリビア

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不動産で聞いた事故物件のお得な部屋は幽霊が出るのか?

俺は幽霊とかスピリチュアルとか、オカルトの類は一切信じていない。科学的なデータがすべて。だから学生時代もパチンコで勝ち続けてこられたのだ。もちろん幽霊物件なんて、なにも怖くはない。出てくるなら出てこいってなもんだ。
俺は、すぐに都内の不動産屋をめぐった。結果、候補に挙がった人が連続で死んでたりするような、できるだけヤバそうなのは以下の3物件だ。
① 同じ階の住人が2カ月に1人ずつ連続で2人病死しているマンション(小岩)
② 中国人による殺人のあったマンション(桜新町)   
③ 2連続で自殺が起っているマンション(王子)
どれもいわくつきではあるが、霊現象は起きていない。これでは弱いか。うーむ。どうしたらいいものか。 そう思っていた矢先、携帯に着信があった。
「どうも。●×不動産のタカ
ダです。昨日、事故物件でいいからお得な部屋を探してるって言ってましたよね?ちょうどいい物件があったんですけれども…」
電話口の声が少し暗い。どんな物件なんだ?さっそく●×不動産に行って間取りを見せてもらった。中野駅徒歩10分、地下鉄新中野駅徒歩5分という好立地でありながら5万円台という、破格の条件だ。
「タカダさん、この物件けっこう安いけど何があるんですか?」
「いやね山野さん、ホントは俺、あそこに行きたくないんですよ。でも上司がさっさと片付けろっていうんで…」なんだなんだ?
「あそこに近づくとめまいがするんですよ。いや、入居した方がすぐ失踪しちゃうんで
すよね、お勤めされてた方でも1、2カ月するといつの間にか行方不明になって……しかもそれが4回連続であって…トドメに突然死ですからね」
「突然死?」「健康だった職人さんが突然亡くなったんです」
タカダの話では、突然死のあった部屋は霊がつきやすいとかなんとかで、どこでどう聞きつけたのか、心霊マニアみたいな奴らも内覧を希望してきているらしい。
「なんだ、昨日紹介してくれれば良かったのに」
「すみません、山野さん、まだ若いんで、ちょっとどうかなと思いまして」  若いとか関係ないって。じゃあ、内見しに行きましょうよ。
「そこの床で死んでるんですよ。人が」
中野の住宅街を車で少し移動して、物件に着いた。見た目は何てことないアパートだ。
むしろ綺麗な部類に入るぐらいで、幽霊とか心霊とかとは無縁に見える。立地はかなり静かな住宅街の中で、ときどき鳥の鳴き声が聞こえてくるくらいだ。都心からも遠くないし、最高のロケーションじゃないか。 しかしタカダの顔は暗い。
「山野さぁ〜ん、オレもうここ来るの嫌っすよ…山野さん契約してくださいよ…」
では問題の101号室へ。ふむ、綺麗なもんじゃないか。ワンルームだが一人で住むには問題なさそうだ。風呂もトイレもちゃんとあって、キッチンもIHだし。「日当たりはどうなんです?」「東向きなんで、いいと思いますよ。ちょっとすいません僕、外出てていいですか」「え?」「そこの床で死んでるんですよ。人が」 
そういって、タカダはちょうど俺の立っているあたりを指さした。ふーん。何も感じ
ないけどな。「頭が痛いです。ここの内見に付き添うと本当に具合が悪くなるんです」
過敏な男だな。それでも不動産屋かよ。
「もういいですか。早く帰りましょう」
そういってすぐ車に乗り込むタカダ。顔が青い。心霊なんかよりこいつが事故らないかのほうが心配だよ。 かくして俺の新生活は、このコーポ中野101号室でスタートすることになった。 まだ霊の目撃情報こそ(聞いて)ないが、タカダの体調が悪くなる点、失踪者が連続する点、突然死発生という3条件は、今後の展開に期待がもてるとの判断からだ。 さあ、霊でも何でもかかってきやがれ!