会話のタネ!雑学トリビア

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意識の高いリア充が集まるカフェに行ってみた

リア充と我々非リアの決定的な違いはなんと言っても空いた時間の使い方にあるだろう。例えば待ち合わせまでの時間、早く起きた休日の朝、仕事が早く終わった夜。そういう空いた時間に我々非リアが時間を潰すところと言えばパチンコ屋か餃子の王将と相場は決まっている。宝くじ売り場でスクラッチくじを削っているのも我々の仲間である。一方リア充たちはカフェや本屋などでゆったりとした時間を過ごす傾向にある。彼らは軍艦マーチを聞いても気分が高揚することがないというから驚きだ。中でも代官山のカフェと本屋が併設されている某店は、都内でも有数の意識の高いリア充が集まる場所と言われている。
確かにリア充はことあるごとに「代官山が〜」とか「代官山で〜」とか言ってるが、実際に代官山に何があるのか未だに謎である。自分は代官山に一度も行かなくても何不自由なく生活してこれたし、うちの両親も代官山に行ったことがないけど田舎で元気に暮らしている。代官山に何があるのか、電車を乗り継いで向かった。駅から10分ほど歩くとカフェと本屋とレンタル屋が複合した施設が現れた。まだ肌寒い季節にもかかわらず、店の外のテラス席で震えながらカフェラテを飲んでいる奇抜な格好をした若者たちがいる。思わず俺のドカジャンを貸してあげようかと思ったが、とりあえず店内へ。
一歩中へ踏み込むといきなり本屋とカフェが同居しており、客がカフェでくつろぎながら買ってもいない店の本を座りながら堂々と読み耽っている。いつら絶対にこの店が最寄りのカフェや本屋じゃないだろうし、もっと自分ちの近所に通い慣れた喫茶店も本屋もあるはずだ。澄ました顔してラテを飲んでるけど俺と同じように路線図と格闘しながら電車を乗り継いでここに辿り着いたに違いない。目の前に平積みされている雑誌はどれも美味しいパン特集だのワンランク上のワイン選び特集だの、外国の書籍もやたらと多い。カフェのテーブル席では案の定マックのノートブックを開いている輩も数名いるが、中にはPC画面によくわかんない難解な数式と図面を表示させた状態で持ち主は席を外しているという奇妙な光景もあった。普通PCの画面は知らない人間には見せたくないものであるが、最も人目の付くところでマックを開き、なおかつ謎の数式と図面を表示させたまま席を外すという高等テクニック。たぶん今ごろトイレの個室でドヤ顔してることだろう。そうかと思えばレジカウンターで女の客が店員に「ホッチキスって売ってますか」と訊ねている。絶対お前んちの近所の文房具屋にホッチキスあるだろ。ここでそれ買わんといかんのかいと思わざるを得なかった。2階に上がると手前にレンタル屋があるが、一押しコーナーにはフランス映画とか白黒映画が並んでいて、その前を客がうろちょろしていた。こいつらも本当は「ダイハード」とか「男はつらいよ」の方が百倍見たいはずだろう。可哀相に。もちろんアダルトなんていうジャンルのDVDはこの世界には存在しないことになっていた。フロアの中央部分には食事のできる広々としたラウンジがあり、壁には「平凡パンチ「太陽」など往年の人気雑誌が創刊号からズラリと並んでいて平日昼間だというのに多くの客が難しい顔をして「domus」だの「VOGUE」だのという外国雑誌を見つめている。このエリアはなぜか店員が外国人ばかりで俺がどうしていいかわからずキョドっていると外国人店員が微笑みかけてきたので思わず「ヘルプミー」と言ったら席に案内してくれた。
「白穂乃香」という聞いたこともない意識の高い名前のビールをとりあえず注文。斜め前方を見るとソファ席にカップルが並んで座っているのだが、なんとこれまたマックのノートパソコンを2人とも膝の上で開いている。この光景は快挙ではないだろうか。
これまで散々カフェでマックをドヤ顔で開いている連中を蔑んできたが、カップルが横に並んでマックを開いているのである。そのマックで何をググる必要があるのか? 
一台じゃ駄目なのか?スマホじゃ駄目なのか? 謎は深まるばかりだ。片手でマックのカーソルを動かしながら片手でカプチーノを器用に嗜むカップル。いくらなんでも無理がありすぎる。 手前の男2女1のグループは男2人がややブスな女をさっきから30分近くヨイショし続けている。男たちは「俺、今日やれるかも」って顔をしているが、ブスとは言え女を落とすためにはやはり代官山のカフェが最適なのだろうか。腕時計を褒めたり、カバンを褒めたりあの手この手を尽くしているがそろそろ顔も褒めてやれやと思わずにはいられなかった。女も調子に乗ったのか「やっぱ代官山いいわ。私、子供がいない街が好きなのかも」と言ってカモミールティーを一口飲み、明後日の方角を見つめている。子供がいない街なら鶯谷巣鴨に軍配が上がるだろうが。キロロみたいな顔しやがって。我慢が限界に達したので白穂乃香をラッパ飲みして店をあとにした。