会話のタネ!雑学トリビア

裏モノJAPAN監修・会話のネタに雑学や豆知識や無駄な知識を集めました

迷信を信じて金運アップを狙う

JR有楽町駅のすぐ目の前、有楽町中央口店は、宝くじファンの間では有名な売り場だ。それもそのはず。2004年から1億円以上の当選者が35人、実に66 億円もの大金がこの小さな店から生み出されているのだ。単に販売量がそれだけ多いからだとも言えるが、この際、野暮なツッコミは慎むとしよう。
さっそく売り場に足を運んだ。窓口の隣には赤字で大きく「億万長者続出の有楽町大黒天」と書かれた看板が張り出されている。ほほう、えらい煽りようですな。でも大黒天って何じゃ?「ウチの店はお金の神様・大黒天を祀っているんです。きっとご利益がありますから宝くじを購入後、お参りしてってください」くじを購入すると、受付のネー
チャンがそう言って大黒天と書いた千社札シールをくれた。教えられるまで気がつかなかったが、たしかに小さな大黒天(えびす様)が売り場の真ん前に鎮座ましまし、列をなした購入者が順に御仏の頭をナデナデしている。なるほど。では、おれも皆にならって千社札シールを仏壇に貼り、ご本尊をナデナデ。どうかご利益がありますように。

本来、招き猫は千客万来を願う商売人の縁起物だが、転じてバクチの世界では、金運、ギャンブル運を呼び込む神様のような存在として崇められている。カネが儲かる、すなわち賭け事に勝つという発想が由来だろう。で、浅草は今戸神社なる場所に、その招き猫の親玉ともいうべき存在が祀られているとの情報をキャッチした。当社にある猫の石像が招き猫信仰の発祥になったという触れ込みだ。ということは、日本に数多ある招き猫の中でも断トツの霊験を持っていると考えられる。これはぜひともすがらねば。やってきた今戸神社には大勢の参拝客がいた。が、不思議なことにそのすべては若い女性で、競馬新聞を握りしめ目を血走らせたようなオッサンはどこにもいない。
「失礼ですけど、ここには商売繁盛か何かを祈願しに?」
すれ違った女性に尋ねてみる。
「違います。ここは縁結びで有名なんですよ。招き猫がいい出会いを呼び寄せるとかで」は? なんじゃそりゃ!不安になって社務所で聞いたところ「一応、金運アップのご利益もありますよ」とのこと。一応って。何だか頼りないなぁ。本当にヨロシクお願いしますよ!

買い方ではなく、購入後の保存方法で運を呼び込むものだ。風水由来の説らしい。そもそも黄色は風水的に金運アップを象徴するもので、さらに暗所に保管することでその力を増す、という理屈だ。ただし、プラスチック製のタンスはNG。プラスチックは「火」の属性で、金運を燃やしてしまう。だから必ず木製タンスにしなければならないんだとか。ふうん。ふと思いだした。宝くじを買う際、窓口のオネーサン、プラスチックの箱から取り出してなかったっけ? てことは、あの時点で金運は焼失してるんじゃないの?いやいや、タンスに入れ直すことで金運は復活するのだ。きっとそうに決まってる、うん。

北枕は縁起が悪いとされるのは、お釈迦様が亡くなったとき、北に頭を向けていたという故事からきているそうな。ただし風水的には金運アップの行動とされている。仏教と風水の教えが衝突した形だが、ここは風水に軍配をあげよう。くじ購入前夜、磁石できっちり北位を確認し、布団を敷いたところ、ずいぶんおかしな配置になってしまった。部屋の造りに対し、思いっきり斜めになっちゃったもんだからなんか気持ち悪いという
か。結局、ロクに寝られぬまま朝を迎え、宝くじを買いに行った。ふぁ、眠い…。

陰徳。聞きなれない言葉だ。人に知られず、誰にも誉められることなく善行を積むという意味らしく、さすればギャンブルの神様が欲(誉められたい欲)のない人間に幸運を授けてくれるのだという。ならばと、早朝の墓地に出かけた。赤の他人の墓石をキレイに磨くのだ。これぞまさに陰徳の最たるものではないか。では、ゴシゴシ、ゴシゴシ。ついでに隣の墓も、その前の墓もまとめてゴシゴシ。ふう、これでよし。念には念を入れ、近くの公園ではゴミ拾いも行った。よーし、ゴミ袋もいっぱいになったことだし、
ギャンブルの神様も感心していることだろう。…ん、待てよ。ぜんぜん陰になってねーし。でもま、これくらいは神様も大目に見てくれると信じよう。善行は善行なんだし。