マートフォン利用者なら知ってるだろうが、マクドナルドや駅などで、いきなり「WIFIネットワークを選択」なるポップアップ表示が出てくることがある。
これはその場が公共のWIFIスポットであることを意味している。誰もが無料で接
続可能、ネットやメールができる場所だ。仕事などで重宝してる人も多いことだろう。
かくいうオレもマックにはずいぶんとお世話になっている。無料WIFIを「利用する」側ではなく、「利用させる」側という違いはあるのだが。利用させるとはどういう意味か。俗に「野良AP(アクセスポイント)」と呼ばれる無料WIFIスポットを自分で開放しているのだ。
ノートパソコンとイーモバイルを持ってマックに入り、電源オン。わざとパスワード不要で利用できるように設定しておく。表示名は「FREEWIFI」に。公共のWIFIスポットで出てくる「FREEPUBLICWIFI」と混同させる狙いだ。この細工によって、公共のアクセスポイントと間違えて、接続してくる人間が大勢いるのだ。なぜオレがそんなことをしているのか。ズバリ、連中の情報を盗むためだ。
誰かがアクセスしてきたら、まず「キーロガー」なるソフトを回線を通してそいつにこ
っそり送りこむ。ややこしいので詳細な説明は省くが、このソフトにより、以降そいつが押したキーがすべてこちらのPCに丸見えになる。たとえばメールなら〈あしたのじゅぎょうでる?〉といった具合に(スマートフォン特有のフリック入力をしていれば表示されず)。とにかく押したキーすべてがわかるので、ときにはアドレス+ランダム数字のような、ミクシィか何かのIDやパスがわかることもある。しかしそんなもんを眺めていてもツマらない。オレの真のターゲットは、「RS」なるゲームのユーザーだ。RSとは日本最大級のユーザー数を誇る人気オンラインゲームで、注目すべきはそのログイン方法である。
セキュリティの関係なのか、毎回ログインのたびに、
・ID・パスワード・生年月日
の3つを打ちこまなければならず、さらにコピペも不可なのだ。つまりこの3種は必ずキーロガーに残ることになる。これだけで「RS」のログイン場面と決まったわけじゃないが、非常に怪しいとは言える。とにかくこの種のものを拾ったら、時間を置いてから(同時ログインはできない)そいつに成り代わってアクセスする。このRSでオイシイのはレアアイテムだ。「悪魔」や「ネクロマンサー」といった武器などを、そのままゲーム内で転売できるのだ(現金に換金可能)。
そこでまずは、ターゲットの持ってるアイテムを、オレ個人のアカウントに送って、送信履歴を消す作業を繰り返す。そうして数がたまったら、ゲーム内の市場(もともと開設されている)に出品して買い手を見つけるのだ。たかがゲームの武器、とあなどるなかれ、一つで10万円を超える値がつくアイテムもある。
アイテムを盗まれたユーザーが気づいているのかどうかはわからないが、RSは管理がザツで有名なゲームで、運営側に泣きついても「自己責任」で終わってしまうことが多いみたいだ。実際、ネット上には運営への文句があふれている。ちょっと考えればわかるがこの手法を使われると、クレジットカードやネットバンクの利用もうかうかできないことになる。くれぐれもご注意を。